令和二年度 税制改正セミナー
~グループ通算制度、損金不算入等、企業に与える影響は?~
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元国税審判官が語る、令和二年度税制改正大綱の勘所
令和二年度の税制改正大綱では、オープン・イノベーション税制の新設、5G投資促進税制の新設、連結納税制度の18年ぶりの見直しなど、デフレ脱却と経済再生を目的とした内容が決まりました。
今回の改正が企業に与える影響とは?改正の詳細とその影響を元国税審判官・あいわ税理士法人 税理士 尾崎氏が解説しました。
- 当日の様子
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■ 改正の目玉、連結納税制度から“グループ通算制度”への移行
これまでは、子会社から集めたデータを親会社が一つの申告書にまとめ、グループ全体で税額計算を行ってきました。 この場合、子会社から提出されたデータに誤りがあると、ほかのグループ会社の計算にも影響を及ぼし再計算が必要になるなど、相当な手間が発生することも少なくありませんでした。
このようなデメリットを解消すべく個社ごとに申告・納税を行う「グループ通算制度」に移行することとなります。
※出典:経済産業省「経済産業関連 令和2年度税制改正について」
また、連結納税制度を一度採用すると、「やむを得ない事由」がない限り取りやめることができません。
しかし、連結納税制度からグループ通算制度への移行のタイミングであれば、届出書を提出することによりグループ通算制度に移行しないことができます。連結納税制度の取りやめを検討していた企業にとっては、制度適用を取りやめる機会とも言えます。
■ すべての企業が関係する“電子帳簿保存制度の見直し”
令和元年度の改正に続き、令和二年度の改正でもさらに緩和が認められ、電子取引を行った場合の電子データの保存について、新たに2つの保存方法が認められることになります。
- 1.ユーザー(受領者)が自由にデータを改変できないシステム(サービス)を利用
- 2.発行者側でタイムスタンプを付与 のいずれかを満たし、受領者側で自由にデータ改変ができないことを担保
※出典:経済産業省「経済産業関連 令和2年度税制改正について」
■ 国税庁が公表、“他社ポイント(共通ポイント)”の取り扱い
そのほか、平成30年度税制改正に関連したトピック事項として「他社ポイント(共通ポイント)」にかかる税務上の取り扱いについて、解説いただきました。 令和2年1月14日に国税庁より「共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店A)及びポイント会員の一般的な処理例」が公表され、共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店)とポイント会員にかかるポイント付与時と使用時の会計処理と消費税の取り扱いが示されています。
※出典:国税庁「共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店A)及びポイント会員の一般的な処理例」
お客様からいただいたアンケートでは、
・収益認識等過去の改正についても、新しい論点も交えて解説いただき復習になった。
・連結納税制度及びグループ通算制度のメリットだけでなくデメリットも知ることが出来た。
・制度がつくられた背景も解説いただいたことで、難しい内容がすんなりと頭に入った。
などのコメントをいただきました。
■ あいわ税理士法人 連結納税コンサルティング
- 講師紹介
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あいわ税理士法人 パートナー 税理士/元国税審判官 尾崎 真司氏大学卒業後、税理士受験講座の講師として5年間の勤務を経て、1999年藍和共同事務所(現あいわ税理士法人)入所。2014年から2017年までの3年間、特定任期付職員の国税審判官として国税不服審判所に勤務。任期満了による退官に伴い、あいわ税理士法人に復帰。大手・中堅企業への税務コンサルティング業務に従事するほか、税務専門誌への寄稿や各種セミナー講師にも従事している。著書に、「フローチャートだけでチェックする!消費税の実務手順」「即戦力への最短ルート 減価償却ナビ」「速報版!! 令和2年度 税制改正マップ」(いずれも共著 税務研究会出版局)他、その他税務専門誌への寄稿など。第41回日税研究賞【税理士の部】選考委員会賞受賞。
※掲載している情報は記事更新時点のものです。
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