IPO Forum~審査項目から逆算して効率的にIPO準備~
- 開催日時
- 2017年9月14日(木) 13:30~17:00/東京
- セミナー総括
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2017年9月14日にフクラシア東京ステーションにて、IPOを目指す経営者・CFOに向けて、税務・法務・労務・会計・IPO支援の専門家を招き、IPOの最新トレンドや、上場準備のポイントをトークセッション形式でお伝えする「IPO Forum」を開催しました。
今回は、約120名のIPO準備企業・検討企業の経営層の方にご来場いただきました。
1部 「IPO最新トレンド2017秋」
1部では、IPO実現企業の半数近くに関与されるコンサルタントである竹山 徹弥氏(株式会社タスク 代表取締役)より、今年のIPO最新トレンドを解説して頂きました。
リーマンショック以後、IPOを果たす企業が右肩上がりで増えていたが、去年から減少傾向にある要因について、予実管理に関する審査が厳しくなっていることや、働き方改革により、審査する側の労働時間の規制などが関係しているとなど、IPO業界の現状について解説して頂きました。
2部 「こんなこと“あるある”資本政策2017」
2部では、日本で最も資本政策の相談を受けている専門家の1人である杉山 康弘氏(あいわ税理士法人 代表社員)より、よくある資本政策の失敗事例について解説して頂きました。
4期前から上場事業年度までの資本政策の流れを解説して頂き、よくある失敗事例を交えながら、気をつけたいポイントを具体的に解説して頂きました。 その他、ストックオプションの仕組みや、資産管理会社を行なった場合と、行なわなかった場合による違いについて解説して頂きました。
3部 「今すべきことが見えてくる
取引所・証券会社の審査項目から整理する上場準備ポイント」
3部では、実際に上場審査で出された審査質問を具体的に提示し、気をつけたいポイントや最新の審査状況などをトークセッション形式で解説して頂きました。
2017年3月にIPOを実現された株式会社オロの日野 靖久氏にも特別にご登壇頂き、最新の審査状況や実体験を語って頂きました。
【ファシリテータ】
竹山 徹弥氏
(株式会社タスク 代表取締役、IPO実現企業の半数近くに関与されるコンサルタント)
【ゲスト】
日野 靖久氏
(株式会社オロ 専務取締役、CFOであり、2017年3月にIPOを実現させた管理責任者)
【IPO専門家】
河野 真宏氏(株式会社タスク、Ⅰの部、Ⅱの部などIPO実務のエキスパート)
高野 大慈郎氏(TMI総合法律事務所、大手証券の法務顧問)
圡屋 憲氏(あいわ税理士法人、大手監査法人で長らくIPOを担当)
土屋 信彦氏(アイ社会保険労務士法人 代表社員、IPOに強い社労士)
まずは河野氏に、審査のスケジュールや審査の概要について解説して頂きました。
次に、実際の審査質問をスクリーンに映しながら、各専門家からの解説と日野氏より実体験を語って頂きました。
はじめは、「予算統制に関する質問事例」。
昨今、予算統制に焦点が当たっており、質問事項も多い傾向にあるとのことでした。
河野氏と圡屋氏から、実際にどういう内容の質問がなされるか等を解説して頂きました。
その後、実際に審査を受けた日野氏に自社の予算の立て方や苦労された点などを語って頂きました。
次に、昨今、審査内容が注目されている「労務管理に関する質問事例」。
こちらの内容は、主に土屋氏に解説して頂きました。
労務管理に関する質問は、時間外労働や未払い賃金、社会保険、労働保険の加入、離職率など多岐に渡り、正しいと思っていた管理方法が審査で指摘されることも多々あるとのことですので、自社がどのような労務管理体制になっているかを整理する必要があります。
その他、「関連当事者取引」、「経営者の関与する取引」、「知的財産権の管理体制」、「内部通報」など、具体的な審査質問を踏まえて各専門家に解説頂きました。
- スタッフ後記
- IPOをするためには従来からの審査ポイントを押さえると共に、時代の流れに沿った対応が求められます。そのためには、専門家に相談しながら自らも勉強していくことが最初の一歩だと感じました。
第3部では、審査質問をスクリーンに映しながら解説して頂きましたが、具合的な審査質問を例にしたため、レジュメを配ることが出来ませんでした。その分、熱心にメモを取る姿や、スクリーンの写真を撮る姿が多く見られました。
実際にされた審査質問を見ることで上場準備のイメージが具体的に湧き、気が引き締まる思いがした、という感想も頂きました。
本セミナーが皆様の上場準備の一助となりましたら幸いです。
※掲載している情報は記事更新時点のものです。
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