上場経験者が本音で語るIPOセミナー

開催日時
2017年7月13日(木) 14:00~16:30/東京
セミナー総括


2017年7月13日、三菱UFJ信託銀行株式会社本店にて「上場経験者が本音で語るIPOセミナー」を開催しました。
暑い日差しの中にも関わらず、100名以上の方にご参加いただきました。


【一部】パネルディスカッション「IPO実現のための勘所」


名古屋証券取引所の鈴木武久氏より今年度のIPO状況やIPOを目指す企業が増えていること、IPO審査の厳格化についての動向を解説頂き、幕を開けました。

本日参加されたパネリストや講師の方には「本音ベースでお願いしている」ということで参加者の期待も高まります。

前半は有限責任あずさ監査法人の企業成長支援本部 IPOサポート室長 鈴木智博氏をモデレーターにお迎えし、パネルディスカッションを行ないました。

パネリストには、株式会社うえる 代表取締役 上野亨氏、三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行営業推進部営業推進課 担当課長 中島俊道氏、株式会社名古屋証券取引所 営業推進グループ長 伊藤和仁氏をお迎えし、はじめに、モデレーターの鈴木智博氏より「なぜ上場を目指す企業が増えているのに、上場数はそこまで増えないのか。」をメインテーマとし、IPOマーケットの動向を10分ほどで解説して頂きました。

IPOの審査の厳格化により、業績の下方修正する企業が減少しており、これは非常にいい傾向と仰っていたことが印象的でした。

続いて、パネルディスカッションが始まりました。

まず、「上場審査の変化」という問いに対し、名古屋証券取引所の概要や、名古屋証券取引所と東京証券取引所の違いについても含めて株式会社名古屋証券取引所の伊藤和仁氏よりご説明頂きました。

続いて、「上場申請したものの、申請を取り下げるケースとは?」という問いに対し、様々な意見を頂きました。

皆一様に答えづらいように見えましたが、モデレーターの方とのやり取りで会場が笑いに包まれることも多く、和やかなムードの中、語って頂きました。

続いて、最近注目されている「開示担当者の採用の難しさやコーポレートガバナス、労務管理」についてディスカッションをして頂きました。

昨今、特に厳しくなっている労務管理ですが、10年ほど前から審査が厳しくなったり甘くなったりを繰り返している項目でもあり、今は厳しい時期という声が多くあがりました。

やはり、時世により審査ポイントも変化していくのですね。

最後に、パネリストの皆様よりメッセージを頂きました。

“何事にも期を逃がさない。確実はないけれど、確率を上げることはできる”

“上場するタイミングを決めないとできない。やるか、やらないか、しかない。やると決めたらやりきってください”

“IPOはスケジュールが一番大事”


様々なIPO関係者の方がご自身の経験や、IPO審査の現状を語っておられ、審査する側の視点が分かるパネルディスカッションでした。

審査項目の厳格化により、対応すべき課題が多くあると思いますが、経営者と従業員、IPO担当者と監査法人の担当者、IPO担当者と証券会社の担当者など、人と人との円滑な繋がりがIPO準備には必要不可欠だと感じました。


【二部】上場体験談「株式上場で見えた景色」


一部が終わり、コーヒーブレイクを挟みまして第二部が始まりました。

第二部は、2015年12月にセントレックスへ上場したアートグリーン株式会社 代表取締役社長 田中 豊 氏をお招きし、上場を目指した理由や上場に至った経緯を語って頂きました。

元々、経営者になりたいと考えていた田中社長ですが、過去に働いていたゴルフ場で人格的に素晴らしい上場企業の経営者に出会ったことから、上場を意識し始めたそうです。

田中社長は、上場準備を一緒に行う関係者の方は「出会い」が大事であり、必ず自分と波長の合う方がいる、と仰っており、信頼できる方と出会うことが、上場準備を乗り越える重要なポイントになるのだと感じました。

上場準備は、通常業務を終えた後に行なうことが多く、管理部の帰りはかなり遅かったそうです。

上場準備をしていた時の管理部の人数は5名であり、この人数が上場準備をする際の最低人数ではないかと仰っていました。

また、田中社長は、上場できた理由として、「予算を守れたこと」と、「No.2をIPOに本気にさせたこと」を挙げており、予算を守り、会社をあげて上場準備に取り組んだことが上場に繋がったと振り返っておりました。

めでたく上場を果たされた後は、以下のような反応があったそうです。

・取引先が莫大に増えた
・お客様から電話が来るようになった
・メディアに取り上げられたことで認知度が上がった
・信用度が上がった


予想以上に反応が大きく、社員のやる気や意識も上がったと嬉しそうに話されていました。

田中社長の笑顔の裏には悩みも多くあったと思いますが、この笑顔により、社員が一丸となって上場準備を乗り越えたのだなと思わせる上場体験談でした。

貴重なお話を、ありがとうございました。
スタッフ後記
前半はIPO関係者のパネルディスカッションで審査する側のお話の生の声を聞きました。モデレーターである鈴木氏とのやり取りから会場が笑いに包まれることも多く、パネラーの方々もつい、本音を話されていたように思いました。

後半の田中社長の上場体験談は、田中社長のお人柄や魅力があふれ、上場を目指した経緯や上場するまでの苦労、上場後の様子など笑いを交えて包み隠さず語って頂きました。

聞き終わった後は、まるで私も上場準備を終えたような充実感がありました。 今後も、田中社長の笑顔とともにアートグリーン株式会社の更なる発展を祈っております。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。
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