導入事例
協立情報通信株式会社
内部統制の強化と、企業経営のための情報活用を実現
- 所在地
- 東京都港区
- 従業員数
- 238名(2012年12月31日現在)
- 売上高
- 42億7,200万(2012年2月期)
課題と効果
- 課題
- 自社独自のシステムのため、上場を行うにあたり内部統制に対する不安があった。
- 業務ごとに独立したシステムであった。
- 効果
- 上場にも耐えうるシステムとして奉行V ERPを導入。内部統制の強化を実現。
- 奉行V ERPで販売管理・人事労務・会計のデータが連携する統合的な業務基盤を構築。
導入前の課題と導入に至る経緯
上場を機に内部統制の強化を目指す 業務ごとに独立したシステムを統合へ
- 管理部
経理グループ加藤 宏章 氏
協立情報通信株式会社は、通信事業からスタートし、創業50年を目前に控えた現在は、情報通信システムの構築から保守・教育に至るワンストップサービスを提供している。ネットワークや基幹業務システム、Microsoftのプラットフォームに対する高い知識力を武器に成長を続け、2013年2月にはジャスダック上場を果たした。また、もうひとつの事業の柱である携帯電話ショップは、現在都内6店舗を展開している。
同社がサービスを提供する中で重要視するのは「企業経営における情報活用」である。「情報創造コミュニティー」を運営し、情報ソリューションのデモンストレーション体験や教育スクールなどを通じて、多くの中小企業の情報活用を支援してきた。
同社が、基幹システムの再構築を開始したのは3年前。当時の状況について管理部 経理グループの加藤 宏章氏は次のように振り返る。
「きっかけは内部統制の強化でした。当時の販売管理システムは外注による自社独自のもので構築していたのですが、上場を見据えたとき、内部統制機能やセキュリティに対して非常に弱いシステムでしたので早急に改善が必要でした。」
また、当時の販売管理システムは、事業ごとに異なるシステムが独立して利用されていた。その他、営業部門が日次で更新するExcelの見込管理表は、部門毎に独自の管理と加工を行っており、集計コードが統一化されていないという課題があった。
さらに、会計システム側では、管理単位が販売管理システムと異なることから、データ連携後に取引先や部門以下の階層での予算実績や損益が把握できない状況であったと言う。
内部統制強化をきっかけに、販売管理から会計、人事労務へと段階的に見直し範囲を広げ、業務ごとに分断されているシステムを奉行V ERPで統一化し、現場の見込管理とも連携した統合的な業務基盤の構築を目指すこととなった。
システム概要
奉行V ERPとOffice365 を利用し、統合された業務基盤を構築
- 管理部
総務グループ米山 公和 氏 - ビジネス企画室
室長濱村 修 氏
システムを再構築するにあたり、業務基盤に奉行V ERPを採用することに迷いは無かったという。会計や給与計算などの業務には古くから奉行シリーズが利用されており、システム基盤の基礎は出来上がっていた。
今回、奉行V ERPを導入することでシステム化範囲を広げ、販売管理・人事労務・会計が相互にデータ連携し、業務上で発生する情報は全て会計情報として反映される仕組みとなった。
人事労務に関しては、ワークフローにより勤怠申請・承認から給与奉行へのデータ連携までを効率化。人事情報をベースとした勤怠管理から給与計算までの統合運用が可能となった。管理部 総務グループの米山公和氏は次のように話す。「当社では、目標評価管理を行い半期ごとに進捗を管理していますが、人事情報管理が制度運用に役立っています。また、事業の特徴として資格の取得管理が多いですがシステムで管理できるようになりました。」
また、今回の基盤構築で特に注目すべきは予算実績管理である。営業部門の見込案件管理シートと商蔵奉行V ERPの実績データが突合され、日々のリアルタイムな進捗を把握することができる。この仕組みに活用しているのがMicrosoftのOffice365である。
「予算実績管理については奉行V ERPとOffice365を利用して非常に正確に把握できるようになっています。データベースを大きくするとコストが掛かる上、扱いにくくなりますから、現場が手軽に使える仕組みとしてシェアポイント(SharePoint Online)を採用しました。見込案件管理は営業担当約60名が日次で更新を行っていますが、大きなスプレッドシートの様な感覚で入力を行っています。」そう語るのは、ビジネス企画室 室長の濱村修氏だ。
その他にも同様にOffice365を活用することで、売掛金の回収遅滞管理や日報管理を実現した。
営業現場の活動管理は経営戦略により細かく変化するため、専用システムではなく、Office365とExcelを連携活用した管理がポイントとなる。これらのレポートは経営会議にも使われており、経営者から現場営業まで、いつでもOffice365を通じてクラウド上で確認することができる。
- 販売管理、人事労務、会計を奉行V ERPで統一し、データ連携による統合運用を実現
- 奉行V ERPとOffice365との連携により、見込管理による予算数字と、基幹業務データからの実績数字をリアルタイムに突合させ、精度の高い予算実績管理を実現
- セキュリティや利用者管理、ログ管理により内部統制を強化
- 販売管理では部門・チーム・班・担当者の階層までの管理により様々な情報の取り出しと活用が可能に
- 会計では販売管理と同様の階層管理により、細かな単位での予算実績や損益把握を実現
- 債権債務管理をシステム化し、売掛金・買掛金管理は販売管理側、それ以外は会計側で消込が可能に
- 店舗資産をはじめ、多数ある資産管理を固定資産奉行V ERPで実現。制度改正にも対応でき減価償却費計算を効率化
導入効果と今後の展望
内部統制の強化を実現 業務全体のスピードが向上
- 取締役
関連業務部長長谷川 浩 氏
全てのシステムが稼働を始めてから1年が経過し、その導入効果について加藤氏は次のように話す。
「まずは、内部統制の強化が実現できました。特に重要な会計データについても、入力承認や月末期末の締処理、入力期間期限など、制御を組み合わせることで自社に合った運用ができる点が便利です。業務基盤を奉行V ERPに統一したことで各業務にスピード感が出ており、結果として会計では半月程かかっていた月次決算が5日に短縮されました。」
また、奉行V ERPの基幹情報とOffice 365プラットフォームの連携による業務基盤の構築効果として、必要な情報を早く、時間・場所を問わず誰もが共有できる点は非常に大きいと評価する。
同社では、日々の営業活動から最終的には会計レポートまでがつながり、営業部門が見る日次の予算実績進捗と、経営情報としての会計上の部門採算の把握をリアルタイムに行える仕組みが構築できた。
今後は営業活動から案件が出るまでの活動管理・行動分析をシステム的に行い、プラクティスモデルとしてお客様に還元していきたいと、次のステージを目指す同社。取締役 関連業務部長の長谷川浩氏は企業における情報活用と同社の今後の展望について次のように話す。
「システム投資は費用対効果が重要ですから、結果が出れば高くはないと思います。従来のICTの事例では、システムを使いきれず、コストをかけた分の結果が出ていないと感じている経営者も多いように思います。
クラウドが普及し、所有から利用する時代になりました。中小企業にとっては、初期投資をかけずに様々な仕組みを導入できるチャンスとなっています。ただ、使いこなして成果を出せなければ同じです。我々はお客様の現場に入り、情報活用を支援しながら、今後もお客様が求めるものを一緒に作り上げていきたいと考えています。」
本例での導入製品はこちら
- 商奉行V ERP
- 蔵奉行V ERP
- 勘定奉行V ERP[個別原価管理編]
- 固定資産管理V ERP
- 申告奉行V ERP[内訳書・概況書編]
- 人事奉行V ERP
- 給与奉行V ERP
- OBC Management Studio
- BACKUPオプション
会社概要
- 会社名
- 協立情報通信株式会社
- 事業内容
- 情報通信システム事業、会計情報ソリューション事業、マイクロソフト推進事業、モバイル事業(法人向け・個人顧客向け)
- 従業員数
- 238名(2012年12月31日現在)
- 売上高
- 42億7,200万(2012年2月期)
- 上場
- JASDAQ上場(2013年2月20日)
- URL
- http://www.kccnet.co.jp/