- 株式会社テイエルブイ
- 経理部 資金管理課
リーダー
辻 勢子氏
- 株式会社テイエルブイ
- 財務本部
ジェネラルマネージャー
増澤 邦彦氏
検討のきっかけ
TLV流のDXプロジェクトを立ち上げ、売上増加に比例して
人手や業務時間が増える状態からの脱却を目指す
当社は1950年5月の創業。計測・制御機器の製造・販売ならびにコンサルティング、蒸気・動力システム、配管の設計および施工、機械器具設置工事などを手がけています。2018年に全社的な業務改革プロジェクトが始動しました。
「DX」と社名「TLV」を掛け合わせた「TX(TLV Digital Transformation)」という呼称のもと、デジタルの活用によってルールやプロセス、情報を整備し、顧客満足や社員満足、生産性のさらなる向上を目指しました。こうしたなか、システム開発部も「TXセンター」に名称変更し、経営トップが強く変革をコミットして業務改革が進められました。
経理としてはコロナ禍やインボイス制度などの法改正をきっかけに、「デジタル」「スピード」「リモート」をキーワードとして業務改革に着手。請求書発行の電子化と債権管理のシステム入替に取り組みました。なぜ、請求書発行と債権管理に着目したのか。理由は売上に比例して必要となる人手や業務時間が増えてしまう業務だと考えたからです。年々売上が伸長するなかで発行しなければならない紙の納品書や請求書が増加し、処理が追いつかなくなっていました。近年は郵送を待ちきれない取引先様から「先に請求書をメールやFAXで送ってほしい」と依頼を受けることも多く、負担の増加につながっていました。
債権管理システムは約30年前に自社開発したものを利用していました。何度も改修を重ねた結果、私たちにとって一番使いやすいシステムとして完成されていたものの、メンテナンス担当ももうすぐ定年。今後のメンテナンスや法対応に不安を感じていました。取引量の増加に伴い、紙の納品書や請求書が増え続けるなかで、私たちは手作業をいつまで続けていくのか。人手に頼っている状況をなくし、取引量に左右されない生産性の高い業務環境の整備を目指しました。
導入の決め手
奉行なら「業務のスタンダード」を手に入れることができると確信。自社に寄り添った伴走支援もポイントに
業務改革に着手する前は目の前の仕事に精一杯で、紙の納品書や請求書を何枚出しているのかすら把握できていませんでした。そこで、まずは現状把握から始めました。すると弊社フォームの納品請求書だけで1か月あたり約2,000枚処理していることがわかりました。
奉行を選定した一番の決め手は、奉行が「業務のスタンダード」を提示してくれた点です。システム選定にあたって、自社開発システムと全く同じ機能を持つパッケージシステムがないことは想定していました。しかし、これまでの業務ができなくなることは困ります。そのため、細かな機能の有無ではなく、今の業務を一通り網羅できるか、という視点で検討を進めました。その点、奉行クラウドは必要な業務を十分に網羅しているシステムだと感じました。また、弊社独特だと感じていた業務のやり方においても代替手段が提供されていたため、これであれば今まで約30年改修を重ねてきたシステムと同じ機能が備わっていなくても、今までと同様の業務を一通り行えると感じました。
請求書発行と債権管理において、データがシームレスに連携できることも決め手のひとつです。当初は請求書の電子化と債権管理を別々のシステムで導入しようとしていましたが、システム導入のほか初期設定やデータ連携でも手間がかかってしまう。一方、奉行ならばワンメーカーなのでシームレスにデータ連携でき、こうした手間をなくせます。データ連携の手間は継続的にかかってしまうので極力減らしたいと考えていました。
営業の方に約半年という短期間で運用可能と断言してもらえたことも導入の後押しになりました。2023年10月にインボイス制度の施行が控えていたため、決算後の2023年7月1日の運用開始を目標としていました。2023年1月末に奉行の導入を最終決定したのち、2月にキックオフ、3月から導入指導が開始という厳しいスケジュールでしたが、OBCから支援を受けて走りきることができました。
導入効果
運用を少し工夫するだけで、人手に頼らない
より洗練された業務プロセスを手に入れることができた
弊社の奉行導入プロジェクト成功の要因は、経営トップのコミットメントだと考えています。改革に困難はつきものです。しかし、痛みを伴ってでも「TX」(業務改革)を進めなければならないという、業務改革に対する必要性と揺るぎない覚悟を経営トップとどれだけすり合わせることができるのかがポイントではないでしょうか。
また現場との透明度の高いコミュニケーションも不可欠です。業務改革の目的や今後の展開などを包み隠さず丁寧に伝えることで、経営と現場の目線はピッタリと合ってきます。
インストラクターの支援のもと、奉行が提示するスタンダードに乗った運用を実現
導入支援では、できないことは「できない」とハッキリと伝えてくれ、その代替案を提示してくれました。例えば工事物件について2つの明細を一式にまとめて1枚の請求書にするケース。今までは2つの明細をExcelで作成し、1枚の請求書を作っていたため、その作業をなくしたかったのですが、奉行の標準機能では対応できないという話がありました。一方で「製品分と作業分に分けて2枚発行し、必要に応じで作業費を一式にしてはどうか」とインストラクターから提案があり、取引先様にご相談したところ多くの取引先様にご快諾いただきました。
これまで取引先様のご要望をそのまま受け止めて請求書を作っていましたが、案外相談すれば変えられるケースが多いことに気付かされました。インストラクターに相談しながら、約30年作り上げてきた業務プロセスを奉行に移行。スタンダードに乗って運用できる体制が整ってきています。
封入封かん作業を約8割削減し、これまでできなかった仕事に取りかかれるように
請求書は2024年6月末で約6割を電子化。納品書や請求書の電子化をご承諾いただいた取引先様の数は順調に増加しています。それに伴い、紙の請求書の発行枚数は1か月あたり約800枚に、封入封緘作業にかかる時間は10時間から2時間に減少。また、取引先様からのメールやFAXの依頼が減っています。以前は3人がかりで発送していて、発送日には「絶対に休めない」というプレッシャーがありましたが、今は精神的にだいぶ楽になりました。
実は以前、折り続けるのが嫌になって紙折り機を導入したことがありました。しかし、封入封緘はなくならず、結局人手が必要な状況は変わりませんでした。根本解決のためには人手頼みの作業をなくしていくことが大切だと感じています。現在は効率化によって生まれた時間を活用することで、営業とのコミュニケーションを増やしており、これまでにできていなかった仕事に取りかかれています。
- 導入効果
- カスタマイズを重ねた既存システムを約半年で奉行に入れ替え完了
- 約30年作り上げた業務プロセスを奉行が提供するスタンダードに移行
- 取引量に左右されない生産性の高い業務環境を整備
- 請求書発行と債権管理がワンメーカーでシームレスに連携
- 請求書の封入・封かん作業を約8割削減
今後の展望
業務プロセスをスタンダードに
業界ひいては日本全体の生産性向上へ
多くの企業が奉行のような標準アプリケーションを活用していくようになれば、業務プロセスがスタンダードになるでしょう。そうなれば、特別な伝票はなくなり、業界ひいては日本全体のバックオフィスの生産性向上につながると思います。
今回のプロジェクトではOBCに中長期的視点で伴走支援してくれたことに感謝したいです。OBCにはコンサルタントとしていつもそばにいてほしいですね。
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企業情報
1950年5月創業、1972年1月設立。計測・制御機器の製造・販売ならびにコンサルティング、蒸気・動力システム、配管の設計および施工、機械器具設置工事などを手がける。国内11の営業拠点のほか海外13か国に設立した現地法人を展開。世界50以上の国々に100以上の販売・サービス網を有する。主力商品である工業用のバルブ(スチームトラップ)は国内シェア1位、世界シェア3位。
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- 会社名
- 株式会社テイエルブイ
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- 所在地
- 兵庫県加古川市野口町長砂881番地
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- 従業員数
- 500名
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- 業種
- 計測・制御機器の製造・販売ならびにコンサルティング、蒸気・動力システム、
配管の設計および施工、機械器具設置工事