- 株式会社渕上ファインズ
- Business Reform ゼネラルマネージャー
合志 貴幸氏
- ヒューマンリソース マネージャー
三笠 恵氏
検討のきっかけ
入力・チェックなどの手作業で業務がひっ迫
システム運用面でもオンプレミスに限界を感じていた
奉行導入前はデータセンター上にあるオンプレミスの基幹システムに複数のクラウドサービスを連携させて業務を行っていたのですが、2つの課題に直面していたのです。
1つ目は「手作業中心の業務体制」です。特に人事労務業務においてはその傾向が顕著で、入力やチェックといった手作業に忙殺されていたのです。改善を図るため、入社手続きのペーパーレス化を実現できるクラウドサービスを利用していたのですが、部分的な業務改善にとどまっていました。というのも、基幹システムとクラウドサービスが連携できなかったため、Web上で収集した情報をオンプレミスの給与システムに結局、手作業でコピペしていたからです。また、オンプレミスの給与システムでは健康保険組合へ電子申請できず、資格取得などの社会保険申請をすべて紙で行う必要がありました。毎月の入退者数は約20名いて期末だともっと多いこともあり、入力やチェック、書類作成などの手作業で一日が終わってしまうことも。従業員の9割が女性であり、産休や育休の取得率が高いこともあって、申請業務が頻繁に発生している実態もありました。人事や採用、教育など、ほかにやるべき業務があるのに労務業務だけを延々とやっている状態だったのです。
2つ目が「システム運用管理の負荷」です。自社でサーバーのメンテナンスや運用・監視を行っていましたが、並行して他の社内システムの管理や新店舗の機器手配などを行う必要があり、十分なリソースを割けずにいました。実際、障害が発生してから動くことが多く、対応が後手後手になっていました。障害対応やセキュリティ対策が高度化していることも、自社でサーバーの管理を行うことに限界を感じていた要因です。「手作業中心の業務体制」と「システム運用管理の負荷」を同時に解決するために、オンプレミスからクラウドへ基幹システムを刷新することにしたのです。
【解決すべき2つの課題】
導入の決め手
別のクラウドサービスに決まりかけるも業務の機能性・操作性とサポート体制で奉行の導入を決意
当初、実は奉行ではなく、他社提供のオールインワンクラウドサービスに決まりかけていました。いくつかのサービスと比較して、もっとも費用対効果が高いと判断していたためです。オンライン商談では提案資料による説明が中心で、当社が求める業務範囲は「すべてできる」という話でした。インターフェースが今時で感覚的に操作でき、使いやすそうなのも好印象でした。しかし、機能について細かく確認を進めていくと、給与明細の予約配信や健康保険組合への電子申請が実装されておらず、開発計画も未定とのこと。
提案資料では把握しきれなかった点があると知り、実務目線で「これでは期待する費用対効果は得られない」と思いました。さらに、導入支援について聞くと「オンラインのみ」と言われ、不安はさらに増大。というのも、オンラインのコミュニケーションだけで、自力ですべてのデータを移行し、稼働にこぎつける自信がなかったからです。
一方、奉行は給与明細の予約配信や健康保険組合への電子申請といった機能が実装されているだけでなく、あらゆるバックオフィス業務に対応できるだけの業務の網羅性をすでに有していました。また、導入支援については訪問対応が可能で、データ移行の際も対面できめ細かなサポートが提供されることを確認でき、安心感を覚えました。豊富な導入実績も判断材料のひとつ。導入実績が豊富であるのはそれだけ多くの企業に求められているからではないでしょうか。最終的には、決まりかけていたサービスをやめ、機能や操作性、網羅性、サポート、実績を含むトータル比較で奉行を選びました。
導入効果
ペーパーレス化で単純作業を一掃
システムの管理・運用の手間がゼロに
奉行を基幹システムとして導入したことでペーパーレス化を促進でき、「手作業中心の業務体制」から脱却できました。人事労務業務においては生産性が大きく向上しています。「入退社手続き」や「社会保険申請」については記入やチェック、郵送といった単純作業がなくなり、業務時間を削減。削減で生み出した時間を人事や採用など、ほかの業務に充てることができつつあります。さらに出社せずとも業務ができる環境になり、テレワークを推進できています。
「給与計算」については業務プロセスを自動化できるようになったことで業務量とミスが減り、従来3名で行っていた業務を1名で行えるようになっています。奉行では保険料率が自動で改定されるのはもちろん、社会保険料の徴収有無など、社員情報が自動で更新されます。例えば従業員が40歳になった場合、介護保険の徴収が自動で設定されるのです。従来のオンプレミスの基幹システムでは保険料率改定も介護保険料の徴収有無も自ら判断して行う必要がありました。その際にミスをしてしまい、給与計算に間違いが発生してしまうことがたびたびあったのです。現在ではミスに怯えることがなくなり、安心して業務を行えています。当社の給与計算式は複雑であり、それをすべて反映できるかどうか正直不安でしたが、サポートを受けて難なく実現できました。
「給与支払報告書」については3~4日かかっていましたが、約30分でできるように。従来は給与支払報告書を印刷し、封筒に入れて100以上の市区町村に提出していましたが、現在は電子申告によってボタンひとつで完結できています。
サーバーや基幹システムの運用管理コストの削減も実現できています。オンプレミスからクラウドに変えたことで、毎月約10時間かかっていた運用管理のための業務時間がゼロになったほか、自社サーバーの費用を削減でき、障害対応やセキュリティ対策について気を揉むことがなくなりました。言わば「何も手を出さなくていい状態」になったため、自社システムの作り込みやシステム企画などに取り組む余力が生まれています。
従業員の操作するシステムの多くが奉行に変わったのですが、抵抗感なく受け入れられたようです。自宅からWebで簡単に産休・育休申請、給与明細閲覧、年末調整申告などができるようになったため、便利に感じている従業員は多いと思います。年末調整申告については一昨年のデータが載っており「楽に作業できた」という声が従業員からあがっていました。
【2つの課題を解決】
導入効果
- ペーパーレス化により手作業中心の業務体制を脱却!
- 給与支払報告書の作成が3~4日から約30分に!
- 毎月の運用管理コストが約10時間からゼロに!
- 給与業務プロセスをすべて自動化!
- 採用や企画など付加価値の高い業務に専念できる環境へ!
今後の展望
奉行を活用して店舗の事務処理をなくし
従業員一人一人の「高付加価値化」を目指す
結婚式の多様化や人口減少などに伴い、経営環境は厳しさを増しています。こうした環境下においては、従業員一人一人の「高付加価値化」が必要不可欠です。バックオフィスとしては店舗の事務作業を引き受け、従業員が接客や企画に集中できるようサポートしたいと考えています。
課題はバックオフィスの生産性です。現状、奉行を十分に使いこなせているとは言えないので、奉行にもっと習熟して生産性を向上させたい。そうすることで人事や採用、教育などの業務にさらに注力できるようにし、高付加価値化に貢献したいと考えています。
今後、海外展開や多角化などが必要になってくるかもしません。その際に問われてくるのが従業員一人一人の価値創造力。いわば企業力です。進化し続ける奉行がこれからの企業力向上に貢献してくれると期待しています。
企業情報
1895年(明治28年)に呉服店として創業。「ドレスから始める結婚式」をコンセプトにJUNO天神本店を旗艦店として全国約40拠点で貸衣装業を中心に展開、海外から独自視点で買い付けたこだわりのウエディングドレスと提案型の接客で顧客満足を追求している。自社企画のオリジナルドレスやタキシードを海外5工場で生産・提供するほか、専任のドレスコーディネーターによるフォトウェディングやドレス選びからはじまる式場選びを提案するオウンドメディア「Dresses(ドレッシーズ)」も手がける。従業員数430名(うちパート170名)、売上高63億円(2023年2月現在)。
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- 会社名
- 株式会社渕上ファインズ
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- 業種
- ウェディングドレスのレンタル事業
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- エリア
- 福岡県
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- 従業員数
- 従業員数430名 ※うちパート170名(2023年8月末時点)
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