- 株式会社ダイビ
- 経営管理部 総務課 主査
吉田 幸司氏
- 株式会社ダイビ
- 代表取締役社長
前田 哲治氏
- 株式会社ダイビ
- 経営管理部 総務課 主任
赤松 紗帆氏
検討のきっかけ
“勤怠管理のDX”で就労状況をデータ化し
「限られた時間で成果が出せる人材」の育成を目指しました
卒業アルバム制作という同一事業で約100年経営を続けられたことは、極めて奇跡的な出来事です。というのも、多くの企業は環境変化に直面して廃業したり、業態変更を遂げている中、私たちは何とか生き残ってきたからです。しかし、そんな奇跡はもう続かないでしょう。なぜなら、少子化が急速なスピードで進展するなかで、卒業アルバムの発行冊数は右肩下がりで減少、卒業アルバム制作事業の衰退はもはや明らかだからです。「変わらなければ生き残れない」そんな危機的なフェーズに突入したと認識しています。
変革の手段は多様ですが、なぜ“勤怠管理のDX”でなくてはならないか。それは変革の目的である「競争優位性の確立」を目指せるものであるからです。当社の競争優位性は人材にあり、「限られた時間で成果が出せる人材の育成」に“勤怠管理のDX”が必要と考えたのです。
当社では勤怠管理システムを以前から利用していたものの、総務しか労働時間を見ることができず、半年に一回労働時間の集計表を部課長に配付していました。リアルタイムかつ迅速に就労状況をデータ化できていない状態で、生産性に課題があっても対応が後手に回っていたのです。
“勤怠管理のDX”を行えば、リアルタイムかつ迅速な就労状況のデータ化が可能になり、どれくらいの労働時間を投入してどれくらい生産できたか(生産性)を総務はもちろん他部署でも可視化して、改善策をすぐに講じられるようになります。“勤怠管理のDX”でこの課題発見から改善というサイクルを回していけるようになることが「限られた時間で成果が出せる人材の育成」ひいては「競争優位性の確立」につながると考えています。
導入の決め手
LINE WORKS連携による
リアルタイム・迅速なコミュニケーション
自社に合わせた労働時間管理とデータ活用の容易さ
当社ではコミュニケーションツールとしてLINE WORKSを活用し、リアルタイムかつ迅速に従業員とコミュニケーションを取っています。チャットでのやり取りは連絡事項の見落としがほとんどなく、すぐに反応があるため、とても助かっています。そこで、LINE WORKSで勤怠関係の通知を送れないかと考え、LINE WORKSと連携できる勤怠管理システムを探していたところ、奉行に出会ったのです。
3社を比較検討し、奉行に決めたのは2つの理由からです。1つ目は「自社に合った労働時間管理ができること」です。当社では1年単位の変形労働時間制を採用するほか、部署ごとで勤務形態が異なります。奉行なら変形労働時間制の残業計算を自動化できるだけでなく、勤務体系をかなり細かく作りこめるため、部署ごとに異なる勤務形態をすべて再現できました。2つ目は「データの活用が容易なこと」です。奉行はあらかじめ用意されている帳票形式だけでなく、任意の条件や項目でデータの出力が可能です。将来的には、勤怠データと生産管理システムとの連携により、繁忙期と閑散期における稼働率・不稼働率を算出し、精緻な製造原価を割り出したいと考えています。奉行なら、勤怠データのさらなる活用で、業務の平準化や多能工化を進めて生産性を向上できると考えました。パッケージであるため、弊社のルールを奉行に合わせる部分もありましたが、他社の製品を選んだ場合はその合わせ込みの数が倍以上になっていたと思います。また、1から弊社のルールに合わせて勤怠管理システムを開発するのに比べると、圧倒的に低コスト、短期間で運用まで持っていけると確信しました。実際に、2021年12月に導入をスタートさせ、2022年4月から本稼働できました。
導入効果
約474時間の業務時間削減に成功
従業員の働き方に対する意識が向上し
業務改善や業務偏在の是正も容易に
勤怠管理クラウドの導入により、「業務時間削減」と「従業員の働き方に対する意識の向上」に成功しました。「業務時間削減」はペーパーレス化によるものです。導入前は、勤怠の申請はすべて紙で行っていました。残業届の場合はExcelに申請内容を転記して残業時間を計算し、さらにその後勤怠管理システムに入力していたので、何度もチェックが必要でした。入力が完了した勤怠届はPDF化して破棄するのですが、原本をシュレッダーにかけるのも時間がかかっていました。導入後は、勤怠の申請をWeb化したことで紙の提出がなくなり、入力やチェックも不要になっています。残業届の処理にかかっていた時間は年間約400時間削減され、それ以外の勤怠届の処理は年間約74時間、トータルで約474時間も削減できました。
「従業員の働き方に対する意識の向上」は、勤怠管理クラウドで日々の働き方をリアルタイムで把握できるようになったことに加え、LINE WORKS連携によるコミュニケーションの迅速化が大きな要因です。導入前、残業届は翌日提出が普通で、実際に誰がどれくらいの時間残業しているのか把握するのは困難でした。現在は「今日は○○さんが残っている」と、リアルタイムで実態をつかむことが可能です。残業が超過しそうなときはLINE WORKSでアラート通知しており、残業抑制も行えています。そのほか、未打刻や有休の未消化もLINE WORKSで通知しているため、従業員がすぐにアクションできる体制になっています。
残業時間が可視化されたことで、「なぜ残業しているのか」「残業時間はなぜ多くなっているのか」について考える機会が増え、これをきっかけに本人だけでなく上長も業務改善や業務偏在の是正などに取り組めています。従業員からも、「有休や代休の日数をリアルタイムで確認でき、総務に問い合わせる必要がなくなり楽になった」という意見をもらっています。
導入効果
- 勤怠申請のペーパーレス化で業務時間を474時間削減!
- 残業時間の可視化で業務改善と業務偏在の是正を実現
- ビジネスチャットによる迅速なコミュニケーションで従業員の働き方に対する意識が向上
今後の展望
繁忙期の人的リソースを柔軟化し
さらなる生産性向上や新事業創出に取り組む
卒業アルバム制作は繁閑の差が大きいビジネスです。12月~翌年3月の繁忙期を乗り越えるのに毎年苦労していますが、勤怠データを活用すれば、どの部署が立て込んでいてどの部署が空いているか把握できるため、柔軟に応援を手配でき、もっと従業員の負担を軽くできると考えています。そうなれば繁忙期でも休暇が取りやすくなり、みんな喜んでくれるでしょう。
マス生産よりも多品種少量生産の時代では設備よりも人材の秘めた力を活かすことが重要になってきます。印刷業界は装置産業の色が濃いですが、人材重視に変わっていかなければならないと切に感じています。当社は勤怠管理のDXによって就労状況を可視化できたことで、昨日よりも今日、今日よりも明日という具合に限られた時間で成果が出せる人材に育っていく基盤を作ることができました。今後は、この基盤を活用したさらなる生産性向上のほか、人材の継続的成長による新事業創出、卒業アルバムのデジタル化など、新たな挑戦も行い、社会から必要とされる企業として次の100年に向けた経営に取り組んでいきます。
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企業情報
1918年創業、1953年設立。「変わらなければ生き残れない」との想いでDXに取り組む。卒業アルバム制作を中心に記念誌や社史、学校案内、写真集、ポスター、カタログ、ノベルティグッズの制作なども手がける印刷会社。卒業アルバム制作では全国2,100校と契約、年間約26万冊の納品実績がある。大阪市内と堺市に自社工場を有し、東京と札幌に営業所。
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- 会社名
- 株式会社ダイビ
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- 業種
- その他
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- エリア
- 大阪府
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- 従業員数
- 119名(2022年11月現在)