株式会社ぶどうの木

私たち総務がDXで目指すのは、 従業員全員が“本業”に集中できる職場と 今まで以上に従業員に寄り添える時間の創出です

  • 人事・労務・総務​
  • 300〜499人
  • 製造業
  • 小売業
  • 勤怠管理
株式会社ぶどうの木
管理本部 総務部 部長
加藤 高聖氏

検討のきっかけ

企業成長に耐えうる業務体制の構築と
“本業”に集中できる環境を目指しました

創業から40年、企業成長を続けてきましたが、総務部は売上5億円当時と変わらない、紙中心の業務体制のままでした。

当社は「美味しいこと、美しいこと、物語があること。」を商品コンセプトに、洋菓子の製造・販売を行う「ぶどうの森」のほか、レストランやウェディング、果樹園・農園の運営などを行っています。石川県を中心に東京・銀座でも店舗を展開(店舗数27)し、2022年8月10日に創業40年を迎えました。
 
業況は順調に拡大しており、売上100億円に向けてさらなる成長を目指しています。しかし、総務の業務体制は売上5億円だった時と変わっておらず、人の手による紙の処理が中心でした。そんななかで、売上100億円を目指すのは現実的ではないと感じていました。もちろん、総務の人員数を増やして対応するという方法もあります。しかし、それではノンプロフィット部門である総務がコストアップ要因となってしまい成長の重荷になってしまいます。それは避けたいと考えました。そこで目指したのが「成長し続けても現有の人員で対応できる業務体制の構築」です。総務の人員を増やさずに業務量の増加に対応するわけですから、生産性向上が必要不可欠です。その有効な手段が奉行を使ったDXでした。

また、DXにはもうひとつの狙いがありました。それが「無駄な仕事の排除」です。社内を見渡してみると、今営業に行くべき従業員が事務作業(無駄な仕事)をやっているんです。無駄な仕事に時間を取られ、稼ぎにつながる“本業”に集中できていないわけです。私たち総務も同様に、日常の業務に追われてしまい、従業員をサポートするという“本業”に時間を割けていませんでした。ひとりひとりの無駄をなくすことで、従業員全員が“本業”に集中できる職場を目指しました。

導入効果

人事労務のDXで従業員の無駄を削減
総務も人事業務に集中できるように


導入の決め手は奉行だけで人事労務業務を完結できることです。奉行は給与、人事管理のほか、勤怠管理、給与明細配付、労務管理、年末調整申告など網羅的に業務をDX化でき、スムーズな情報連携で業務を行えます。また、担当者に寄り添った機能で精度の高い業務が可能なだけでなく、従業員にとっても使いやすいと感じました。さらに、IT導入補助金の交付が決定したことも導入の後押しになりました。導入後、総務では手作業がなくなり、生産性が向上しています。また、”稼ぎ”につながらない無駄な仕事の削減にも成功しました。


【勤怠管理】
勤怠管理では、Webによる打刻と勤怠申請で手入力がなくなり、以前の10分の1に業務時間を削減できています。導入前は、約300人分の紙の出勤簿を集めてきて2人がかりでExcelに手入力しており、それだけで1週間かかっていました。正直に言って、手入力が嫌で嫌で仕方がなかったので、解放感でいっぱいですね。従業員の出勤簿へ手書きする作業もなくなりました。




【給与明細】
給与明細配付では、メール配信にすることで、1人が2日間かけて行っていた印刷、封入、発送などの業務を削減できました。現在は給与明細の配信予約だけで済んでいます。最初は「業務がゼロになった」と喜んでいましたが、今は喜びを通り越して、それが当たり前になっています。


【労務管理】
労務管理では、Web上で申請書をやりとりできるようになり、業務時間を半分以下に削減できています。導入前は、各店舗から紙の申請書を郵送で受領し、誤りがあれば差し戻していました。必要に応じて、従業員に事務所に来てもらい、説明しながら一緒に作業していました。現在では従業員の書類作成や郵送、事務所への移動といった無駄な時間も削減できています。


【年末調整申告】
年末調整申告では導入2年目で業務時間を8割削減できました。導入の翌年以降は従業員の入力情報が自動複写されるため、大幅な時間削減を実現できています。導入前は、申告書を書き方マニュアルとともに従業員へ郵送していましたが、それでも間違いが多く、差し戻しが頻繁に起きていました。結局、証明書をもらって代筆することが多かったですね。今ではそれがなくなり、画面を確認するだけで済んでいます。奉行を導入して丸2年が経過し、無駄な仕事をずいぶん排除できたと思います。総務においても人事業務など、“本業”に集中できるようになってきています。

導入効果

【勤怠管理業務】=業務時間が1/10に!
【給与明細配付業務】=業務が0日に!
【労務管理業務】=業務時間が1/2に!
【年末調整業務】=業務時間を8割削減!

デジタル化の進め方

QRコードを活用した周知と情報入力の個別対応で
新しいやり方に対する「アレルギー」を除去

どんなに優れたシステムでも、従業員に使ってもらえなければ効果は得られません。重要なのは導入後の運用です。当社における運用のポイントはシステム変更の際に発生する「アレルギー(拒否反応)」への対処でした。たとえ自分自身にとって利益のあるやり方でも、新しい仕組みでの運用イメージがつかず、不安が先立って、新しいやり方を受け入れられないのです。

「アレルギー(拒否反応)」を取り除くため、第一に周知方法を工夫しました。勤怠管理や年末調整申告のログイン画面のURLをQRコードにして、毎日全社日報に掲載し、「とりあえず読み込んでほしい」と、マニュアルと一緒に配信したら、みんな素直にやってくれました。

第二に個別対応を行いました。問い合わせのあった従業員ひとりひとりに個別で教えて回ったんです。そうするとやる気が出るようで、すぐに覚えてくれますね。個別対応を行ったことで、従業員には「そこまでしてやりたいのね」と、こちらの“熱”が伝わったみたいです。特に力を入れたのは従業員自身による年末調整申告の情報入力でした。年末調整は1年目の情報入力が鍵となります。というのも、2年目以降は情報が複写されるため、従業員自身の入力作業がグンと楽になるからです。「頼むから入れてくれ!」と何度もお願いして回りましたね。こうした取り組みが功を奏して、想定よりも少ない手間と時間で社内へ奉行を展開できました。

私はフランクな存在なのか、従業員の不満受付窓口として定着しています(笑)。普段から会社の不満が集まってきますが、今回のシステム導入について従業員が不満を言ってくることはほとんどなかったですね。すっと受け入れられたようで安堵しました。

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今後の展望

人事データベースを構築して人材の適材適所を実現
“得意”を伸ばし、100億円企業へ成長

近年、当社では奉行クラウドの導入をはじめ、AIやRPAなどを用いたDXを積極的に推進しています。DXを手段として「何ができるか」を従業員が積極的に検討するようになっています。こうしたなか、依然として紙で残っている請求書や見積書、契約書などを順次電子化していきます。そして、全員がもっと“本業に集中できる環境を作りたいですね。総務としては、従業員に会う時間をより多く作り、従業員ひとりひとりに寄り添っていきたいと考えています。みんなが会社のことを好きになってくれてひとりも辞めない。そんな状況を実現できたらすごいと思うんです。

今回のDX化で、売上100億のイメージが湧いてきました。
以前は「100億なんて絶対無理だ」と思っていましたが、今では「100億になってこのメンバーでできたらすごい高い生産性だよね」というポジティブな会話が総務で日常的に交されるようになっています。

今後、100億円企業へ成長するためにはDXはもちろん、人材活用も必要不可欠です。現在、人事データベースを構築しており、将来的にはエンゲージメントとひもづけながら適材適所の人材配置を目指しています。当社は人材の“得意”を伸ばすことで成長してきた企業です。人材の“得意”を伸ばせる組織を構築し、持続的成長を実現します。

企業情報

1982年創業、1985年法人設立。洋菓子の製造・販売を行う「ぶどうの森」のほか、レストランやウェディング、果樹園・農園の運営なども手がける。石川県を中心に東京・銀座でも店舗を展開(店舗数27)。食品ロスを利用した商品「Hazico(ハジコ)」の開発や人・自然・農の新しいつながりと循環をつくる「ラシェット」プロジェクトなどを行い、SDGsの実現に貢献。従業員数は310名(正社員121名、パートアルバイト189名。平均年齢38歳、60歳以上6名)。

  • 会社名
    株式会社ぶどうの木
  • URL
    https://www.budoo.co.jp/
  • 業種
    製造業、小売業
  • エリア
    石川県
  • 従業員数
    310名

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