株式会社中電シーティーアイ

人事労務業務のデジタル化は年末調整から。203時間の業務削減に成功した企業が語る デジタル化の決め手とは?

  • 人事・労務・総務​
  • 1,000〜2,999人
  • ソフトウェア・情報サービス業
  • 年末調整申告書
株式会社中電シーティーアイ
総務人事室 労務グループ マネージャー/
田中 浩久 氏
 
総務人事室 労務グループ 主査/
奥川 真理子 氏

検討のきっかけ

年末調整時期は時間外労働が連日発生
労務担当者の精神的・肉体的な負担を軽減したい

私たち株式会社中電シーティーアイは、中部電力グループにおける唯一のIT企業。主に中部電力とそのグループ企業のIT支援を手がけています。1,202名(2020年6月1日現在)の従業員が在籍しており、その年末調整に多大な労力がかかっていました。

総務人事室 労務グループは、従業員の服務・給与・福利厚生などの労務管理を担っています。私たちの大きな課題は、毎年やってくる年末調整への対応でした。従来から当社では自社開発の年末調整申告システムを利用していましたが、このシステムは電磁的方法による保存の要件を満たしていないため、年末調整申告書類の提出や内容確認、保管は結局「紙」で実施するしかなかったのです。しかも全従業員の申告書類の提出を締め切ってから10日間という超短時間で全ての処理を完了しなければなりません。膨大な作業は労務グループの8名だけでまかなえるものではなく、総務人事室の他のグループの応援を頼み、さらに年末調整のための派遣社員を受け入れて対応していました。年末調整時期は日常業務のほかに給与や賞与の業務とも重なります。そのため、年末調整の作業に取り掛かれるのは定時が過ぎてから。夜間の作業に備えて各自がお菓子を用意して気合を入れて挑んでいましたね(笑)。

このように年末調整のために連日の時間外労働が発生し、担当者の精神的・肉体的な負担は過重になっていました。こんな状況を何とか改善したいとの想いから、年末調整業務のデジタル化に踏み切ったのです。

私たちが「奉行Edge 年末調整申告書クラウド」(以下、奉行クラウド)を選定した理由は、従業員にとっての使いやすさ、労務担当者の確認のしやすさ、さらに給与奉行との連携性です。特に一番の決め手は、従業員が迷わず間違えずに年末調整の申告ができることですね。前年に入力した保険料控除などの情報が初期表示され、指示に従って差分を入力するだけで簡単に申告が完了するので、「これなら大丈夫」だと思いました。また、労務担当者にも親切なつくりになっています。具体的には保険料控除申告書の確認画面で、提出された証明書の画像ファイルと金額を並べて確認できるようになっているなど、使う人の立場に寄り添っていると感じられました。

導入までの流れ

年末調整業務の作業時間を実測して
想定効果を数値化しシステム導入の決裁を得ることに成功

当社では、すでに自社開発の年末調整申告システムを利用していたため、社内でシステムの入れ替えを提案するためには、奉行クラウド導入による業務効率化の明示が必要でした。何しろ年末調整業務は年に一度だけのイベントです。他の季節業務と同様に、そのときだけ現場が我慢して人海戦術で乗り切れば良いという圧力に対抗するためには、劇的な業務効率化を示す必要がありました。

そこで私たちは、想定効果の数値化を行いました。これまでの経験をもとに業務プロセスを洗い出し、2018年の年末調整業務において作業時間の測定を実施したのです。その結果、1回の年末調整業務で合計294時間かかっていることが判明しました。さらに分解した作業を分析することで、奉行クラウドによって“ゼロ”になる作業(開封や確認など)も明確に。この結果、従来の294時間が91時間に、なんと203時間の業務効率化が確認できたのです。これによって派遣社員の受け入れが不要になることも証明できました。

私たちは、この結果(図1)に基づき2019年の年末調整業務に向けた奉行クラウド導入を提案し、承認(決裁)を得ることに成功しました。

理想的な業務の分担体制を構築

導入効果

年末調整業務の作業時間が203時間削減
従業員による申告の効率化で、全社的なコスト削減も実現

果たして、奉行クラウドを導入した2019年の年末調整業務では、203時間の作業時間削減を確認することができました。想定どおり多くの作業が“ゼロ”となり、人手で行うのはWebで提出された申告書の内容確認作業だけ。今回は初回なので内容確認を慎重に行いましたが、来年以降は前年の保険料控除などの情報が申告書に自動的に転記されるので、この作業もどんどん軽減されていくものと期待しています。また派遣社員を受け入れずに業務が完結できたことで、人件費も削減できました。労務グループのメンバーは「時間外労働が減り、精神的・肉体的な負担が無くなっただけでなく、他業務に充てる時間が確保できるようになった」と大喜びです。

一方、全社の従業員が行う申告の効率化も確認できました。従業員へのヒアリング結果を基に、申告書の作成パターン別の対象者数と短縮時間から全従業員の平均および合計の短縮時間を算定し、さらに等級別の平均単価を乗じて人件費と削減額を算出しました。結果として、全社合計での申告所要時間短縮が267時間、人件費は585,133円が削減されたことがわかりました(図2)。

今後の展望

ますます複雑化し高度化する労務管理
デジタル化によって新たな価値を創造していきます

近年、労務管理はますます複雑化し高度化しています。例えば労働時間管理では、打刻による勤務実績だけでなく、入退館時刻やパソコン稼働時間の確認まで必要になっています。しかし10年前に比べて労務担当者の増員は無く、業務量の増加に追い付きません。そのためデジタル化による業務効率化は必須といえます。一方で、これはどの企業の労務部門にも当てはまることですが、業務の見直しができず各社独自のやり方で凝り固まっているのが現状です。ここに、標準化された業務ノウハウ(ベストプラクティス)が詰まったクラウドサービスを導入しデジタル化を進めることが、自社の業務を根本的に見直して新たな価値を生み出すチャンスになるはずです。そしてデジタル化を本当に活かす鍵は、それを受け入れる私たちの柔軟性ではないでしょうか。自社の業務手順にしがみつくことは、デジタル化のメリットを享受するための障壁となりかねません。私たちは、これからも柔軟な姿勢でデジタル化を進めることで、労務管理に新たな価値を創造していきます。

企業情報

中部電力グループ唯一のIT企業。
昭和53年に設立された中電コンピューターサービス株式会社と、平成元年に設立された株式会社コンピュータ・テクノロジー・インテグレイタ(株式会社シーティーアイに改称)が、平成15年に合併して設立。
中部電力をはじめ中部電力グループ企業および地域企業の情報化推進に寄与するため、システム化の提案から構築・保守・運用まで支援し、お客さまの経営効率化と発展に貢献。
事業所は10拠点(名古屋市内8、静岡県1、東京都1)。
従業員数は1,202名(2020年6月1日現在)。
OBC販売パートナー(OBC Alliance Partner Platinum)。

  • 会社名
    株式会社中電シーティーアイ
  • URL
    http://www.cti.co.jp
  • 業種
    ソフトウェア・情報サービス業
  • エリア
    愛知県
  • 従業員数
    1,202名(2020年6月1日現在)

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