- スローガン株式会社
- 取締役 執行役員CFO/北川 裕憲 氏
- コーポレート部
総務・労務担当/唐澤 千鶴 氏
検討のきっかけ
インストール型の給与ソフトでは
会社の成長に伴う業務量の増加に耐えられなかった
2015年にスローガンに入社した当時は、ひとりで労務実務を担当していましたが、将来を見据え、労務担当として唐澤に業務を委譲することになりました。そこで私と唐澤の2人で円滑に業務を進められる新しい体制の構築が必要になったのです。
当時はインストール型の給与ソフトを、2人で交代しながら利用していたのですが、監査用データの取得のために経理担当者が利用することもあったので、待ち時間がたびたび発生していました。弊社では、社会保険手続きや月次の給与計算チェックを社労士に依頼し、年末調整計算を税理士に委託しているのですが、給与ソフトからCSVデータを出力してデータ共有する手間もかかっていました。インストール型の給与ソフトではリアルタイムにデータを共有できないことが最大の難点でしたね。
さらに、利用していた給与ソフトの起動が遅いことやデータ登録などの操作がスピーディーに進まない点も不満に思っていました。
順調に業績を伸ばしていく中で、2015年に30人程度だった従業員が、2019年には約100人に増えていましたし、このままでは年々増加する業務量に対応できなくなることは明らかでした。そんな状況を打破するため、新しい給与システムを探し始めたのです。
導入の決め手
奉行ならかゆい所に手が届き、運用の手間を
最小限にとどめられると確信しました
企業が成長すればバックオフィスの業務量は当然増えます。それをマンパワーで対応するという考えもありますが、「業務量の増加を人で埋めない」のが弊社の方針です。つまり、業務量が増えても、必要最小限の人員増加で抑えられる体制を構築することを目指しています。
そのため、システムに求める要件は3つありました。1つ目は「業務の分担体制を構築でき業務効率を上げられること」です。唐澤が実務と社外・社内とのやり取りを担当し、私が最終チェックをするという、お互いが自分の業務に集中するためには、サーバー管理やセキュリティ対策などを気にせずに手軽にネットワーク化でき、同時処理を行える必要がありました。
2つ目は「専門家という社外リソースを最大限活用できること」です。弊社では、社労士と税理士と連携することで、専門性の高い業務について正確性と効率性の両立を図っています。情報共有のために別システムやスプレッドシートでのやりとり業務が発生すると、正確性や業務効率が落ちてしまうため、社外とシステムを介して「つながる」ことは不可欠でした。そして3つ目は「システム処理のパフォーマンス」です。いくら体制が整っても、パフォーマンスが悪くて業務スピードが落ちてしまうのでは元も子もありません。既存システムの処理スピードに不満があったこともあり、パフォーマンスは重要視していました。この3つの要件を満たすのがクラウド型の給与システムでした。選定にあたって、給与奉行クラウド(以下、奉行と表記)を含め、4社の給与クラウドサービスを比較検討しました。
検討においては、4つのサービスをすべて自分で触って、実際の運用イメージを確認し、必須要件を満たすシステムであるか検証しました。以前の給与システムのマスタ情報を使って勤怠データなどを流し込んで再計算し、正しい給与計算の結果が得られるかどうか、アウトプットが以前の給与システムと異なる場合は、その原因を各社に問い合わせてひとつひとつ解決していきました。なかなかすべてを見切れず体験版の利用期間を何度か延長しましたけどね(笑)。でも、大切な社員の給与情報を扱うシステムでもあるので、徹底的に検証したかったんです。
こうしたなかで、奉行が最も適しているという結論になりました。最も評価したのは、自社の実態をそのまま実現できて運用の手間がかからないことです。奉行はかゆいところに手が届く仕組みなので助かっています。例えば、弊社では固定残業代制(実際の労働時間にかかわらず、一定の残業時間分の残業代を固定賃金として支払う制度)を導入しており、実際の残業代がみなし残業代を超えた場合に差額を支給しています。奉行では四則演算はもちろん、IF関数を用いた計算式などを自由に組めるため、従業員ごとの残業単価に応じて適正に固定残業代制を運用できます。一方で他社のものは、計算ロジックが固定されており、自社の実態をシステムに合わせる必要がありました。また、他社の給与クラウドサービスでは住民税の月額は前月複写ですが、奉行では住民税の月額がマスタ化されているので、普通徴収から特別徴収に切り替わる中途入社の従業員の住民税計算に難なく対応できます。
また、今、多くの企業で人材確保のため多様な働き方が認められる時代にあり、労務管理がそれに対応するのは必要不可欠だと考えます。弊社においても、今後、時代の要請や会社の成長拡大により、勤務体系や賃金形態を変えることもあるでしょう。その際も奉行ならば問題なく稼働させられるという確信があります。
導入効果
思い描いた業務体制を実現でき、
テレワーク中心の新しい働き方にも対応できました
2019年10月に奉行を導入してから1年が経過しましたが、理想の業務分担を実現できています。唐澤が処理をして私が最終チェックする一連の流れを構築できました。
奉行にしたことで、社労士にメールなどで情報共有する必要もなくなり、社労士が能動的にシステムにログインしてくまなくチェックしてくれるため、ミスに即座に対応できています。リアルタイムに専門家とつながることで業務への安心感が高まりました。産休や育休といった諸手続きも楽になっています。以前はエクセルで申請書を作成して共有していましたが、今では社労士に身上異動があったことを連絡するだけで済んでいます。パフォーマンスの面でも、奉行を利用し始めてから給与ソフトへの操作ストレスはなくなりました。
2020年に新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの企業でテレワークの推進が喫緊の課題になりました。弊社もテレワークを積極的に推進していますが、奉行があったからこそ、働き方をスムーズに変化させることができました。
給与明細配付については、奉行Edge給与明細電子化クラウドを導入して、給与明細を電子化しているので、労務担当も従業員も出社する必要はありません。年末調整申告書の配付・回収に関しても、今年から奉行Edge 年末調整申告書クラウドで控除証明書等の電子データ回収も可能になるので、当初時限措置としていたテレワークをこのまま続けられそうです。
ただ、人事労務手続きにおいては、まだアナログな手作業が残っています。例えば、入社手続きでは、クラウドストレージ上でファイル共有して個人情報を授受していますが、申請者が入力したデータを労務担当が給与奉行クラウドに手入力しています。こうした二重入力はクラウドを活用することでなくせるはず。現状ではクラウドの可能性を十分に活かせていないと感じています。入社から退社までの一連の手続きをクラウドで完結できるようになればいいなと思っています。
導入効果のダイジェスト
- データのリアルタイム共有で、待ち時間「0分」に
- 社外リソースを最大限活用し、毎月の給与処理「1人工→0.5人工」に
- 人事労務業務のデジタル化で、労務管理の業務プロセス年間「30%」削減
- 給与明細等のペーパーレス化で、テレワークを迅速に実現
- 多様な働き方など将来の変化に対応できる柔軟な運用性。
今後の展望
目的をもって奉行クラウドを使いこなし、
自社に最適な業務体制を模索していきたい
システム選定において最も大切なことは自社が目指す目的を達成できるかどうか。システムは魔法の杖ではなく、あくまでツールであることを理解すべきです。目的なくして効果を生み出すことはできないと言えるでしょう。奉行を選んだのは「業務量の増加を人で埋めない」ためのシステムとして最もふさわしかったからです。目的をもって選定を進めたことで、結果的にテレワークにも難なく対応できました。これからもシステムの特徴を理解したうえで、先を見通して選定し、自社に最適な業務体制を常に模索します。
現在、4つの奉行クラウドサービスを導入しており、導入効果も出ていますが、これからも多様な機能が実装され、将来実現するはずの当社のフルクラウドに貢献してくれるでしょう。“業務量の増加を人で埋めない”という方針にOBCはこれからも応えてくれると期待しています。
企業情報
2005年設立。「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで新産業を創出し続ける」をミッションに、かたちつくる人(Shapers)のコミュニティを基軸にした新産業ビルダー。新産業領域への人材支援を中心としたキャリアサービス分野のほか、メディア・SaaS分野でのサービスを手がける。キャリアサービス分野では、新卒採用、中途採用、長期インターン採用のすべての採用ニーズに応え、ベンチャー・スタートアップをはじめとする新産業領域の企業に必要となる優秀な若手人材のマッチングに強み。メディア・SaaS分野においては、ビジネスメディアコミュニティ「FastGrow」の運営やクラウド1on1ツール「TeamUp」の開発及び運営を行う。従業員は98名(2020年2月現在)。
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- 会社名
- スローガン株式会社
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- 業種
- 人材紹介業
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- エリア
- 東京都
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- 従業員数
- 98名
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