朝日新聞倉敷販売株式会社

“クラウド化”と“ペーパーレス化”を両立し、
遠隔拠点をリアルタイムにつないで
月次決算の1週間短縮に成功

  • 経理・会計・財務​
  • 100〜299人
  • 小売業
  • 勘定奉行・証憑保管
朝日新聞倉敷販売株式会社
経理担当/和出 律子 氏
朝日新聞倉敷販売株式会社
経理課長/濱田 尚 氏

きっかけ

遠隔拠点の経理状況をリアルタイムに把握し、
マネジメントできる業務環境が必要でした

勘定奉行クラウドを検討したきっかけは2つありました。
ひとつは「業務量の増加」です。経営上の理由から、2017年より朝日新聞高松販売株式会社の経理も担うことになりました。業務負担は大きく増加したとはいえ、経理担当者の人数はそう簡単に増やせない。こうしたなかで業務量の増加に対応するための会計システムが必要だったわけです。
勘定奉行クラウド導入前に使っていたのは、オンプレミス版の会計システムでしたが、朝日新聞高松販売株式会社の経理を担うようになったことで仕事のやり方を変える必要が出てきました。というのも、弊社の拠点は倉敷市にある一方で、朝日新聞高松販売株式会社の拠点は高松市にあるからです。つまり、倉敷市と高松市を行き来して2社の経理を行う必要に迫られたのです。
週に2~3回、高松市に出張していましたが、私が高松にいる間、倉敷の経理は止っている状態。倉敷に戻ってくると、溜まっていた業務の処理に追われ、心に余裕がありませんでした。
2社の経理業務を行ううえで最も困難に感じていたのが「高松の経理のマネジメント」です。
実際に高松に行ってみないと伝票が入力できているかどうかわからない状態。ふたを開けてみると遅れていることもしばしばあり、残業などの原因になっていました。効率的にマネジメントを行うためには、高松に行かずとも的確な指示が出せるような、リアルタイムで状況把握ができる環境が必要でした。
弊社では、朝日新聞本社の会計基準に則り、厳格な部門別会計を行っています。経営上、毎月25日前後には月次決算の確定数値の報告が必要なのですが、朝日新聞高松販売株式会社の経理を担ったことで効率化は必須でした。これまでマンパワーで何とか対応してきましたが、限界に来ていました。

もうひとつのきっかけが「ペーパーレス化の推進」です。2社における新聞契約者数は二万五千人以上。つまり、毎月二万五千件以上の請求データと入金データを処理しており、膨大な数の伝票と格闘していました。
大量の紙に埋もれ、とても息苦しく感じていました。伝票を箱につめて保管するのは本当に面倒で。一年で段ボール20箱以上も増えていくなかで保管スペースが次第に不足するようになったんです。数年前から社内で保管することが限界になり、別途倉庫を借りることに。見返すことのほとんどない紙で保管庫が占領され、保管のために倉庫まで借りている状況でした。

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導入の決め手

自社の業務に合った「クラウド化」と「ペーパーレス化」を
両立できる点が決め手でした

効率的な業務環境を構築するためにクラウドは必須でした。クラウドならばリアルタイムに業務の状況を把握することが可能です。そうなれば倉敷にいても高松の経理の進捗が正確につかめるようになります。もし高松で仕訳入力などの遅れが発生しているときは、すぐに担当者に指示を出せるので仕事が効率的になるのではないか、と考えていました。月次決算の早期化が急務となっていただけに、リアルタイムで業務を行えるクラウドのメリットは大きいと感じていました。
そこで、勘定奉行クラウドの導入を決めました。
勘定奉行クラウドを選んだ理由は、リアルタイムに2社の経理状況を把握できる「クラウド化」のメリットと、自社の業務プロセスに合った「ペーパーレス化」の実現を両立できるシステムだったからです。
勘定奉行クラウドで行うペーパーレス化は、今まで通り、紙を見ながら仕訳を打つプロセスは変わらず、あとからスキャンしたデータをアップロードするだけなんです。従来のシステムでも証憑管理はできたのですが、自社の業務プロセスとかけ離れたものだったので使いにくかった。具体的には、仕訳を打つ前に一度スキャンしたデータをアップロードするとシステムが自動的に仕訳を行うのですが、それをチェックすると間違っていることもしばしば。結局、チェックと修正を人手でしなければならず、かえって時間がかかっていました。勘定奉行クラウドは、ペーパーレス化を効率的に推進したいと考えていた私たちにピッタリのシステムだと思いました。 もちろん、従来のシステムでは不足していた点をカバーしていることも導入の理由のひとつです。朝日新聞本社から求められる厳格な部門別会計のしやすさも魅力でした。

導入効果

経理業務の約8割を占めていた入出金伝票を自動化し、
月次決算の1週間短縮に成功しました

高松の経理の状況をリアルタイムに把握し、経理担当者に適宜指示を出せるようになったことで月次決算の早期化を実現できました。具体的には、月次締めから月次決算までの期間が2週間から1週間に短縮されたんです。業務量が増えているのに早くなったわけでビックリしています。リアルタイムに業務を行う効果がこんなに大きいとは驚きました。今は月に1回程度、高松に出張していますが、進捗を把握したうえで行けるので、“遅れているのではないか”“大変なことになっていないか”といった心理的な不安がほとんどなくなったのも大きいですね。
月次決算の早期化に成功した要因は、全銀データ形式の入出金データを取り込んだ自動仕訳です。自動仕訳を活用したことで業務スピードが格段に上がったほか、入力ミスがほとんどなくなりました。経理の仕事の8割は仕訳ですから、自動仕訳のインパクトはかなり大きいですね。おかげで月末に残業することが少なくなりました。
税理士とのやり取りがスムーズにできるようになったことも大きな効果です。弊社の顧問税理士は広島市にいるので、これまでは仕訳ひとつチェックしてもらうにも、データを税理士に送らなければなりませんでした。また、業務に関する相談は月1回の打ち合わせの時くらいしかできず、不明点が出てきてもすぐに確認できないので、業務の遅れにもつながっていました。しかし、勘定奉行クラウドの導入後は、「この仕訳よくわからないです。とりあえず入れましたのでチェックしてもらえますか」「こっちで直しておきましたよ」といったリアルタイムでのやり取りが日常的にできるようになりました。
勘定奉行クラウドには専門家ライセンスが標準装備されており、先生が無料で使えます。専門家ライセンスの件を先生に話したら“すごい!”と感動してましたよ。

今後の展望

現地に行かずともマネジメントができる、
新しい経理業務スタイルを確立したい

勘定奉行クラウドを活用して倉敷と高松の2社の経理業務の兼務から始まりましたが、実は今は4社の経理業務を兼務しています。クラウドによるリアルタイムな経理業務に加え、自動仕訳など最新機能を駆使して、従来にはなかった生産性の高い業務環境が整ってきたおかげで、経理の精度を落とすことなく4社の管理ができています。 そして、2020年4月から税務署への電子帳簿保存法に伴う申請も通して本格的にペーパーレス化の運用を開始しました。導入当初はまずはプロセスの確認をし、業務が確実に回ることを確証して実現できたため、スムーズに運用できていますね。
ペーパーレス化によって、ダンボール箱保管用のレンタル倉庫代月約8,000円を節減できたほか、原始証憑のトレースも容易になり、さらに業務が楽になっています。

今後は、請求書や領収書などをすべてクラウド上で共有・管理し、会計データと証憑データを突き合わせることで、現地に行かずともマネジメントを実現できるようにしたいですね。
勘定奉行クラウドが自社の理想の経理業務スタイルを、これからも実現してくれると期待しています。

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