- 株式会社ビーエスフジ
- 執行役員総務局長
髙﨑 邦雄氏
- 株式会社ビーエスフジ
- 総務局総務部
チーフマネージャー/田中 将行氏
- 株式会社ビーエスフジ
- 総務局
次長兼総務部長/源生 悟郎氏
検討のきっかけ
手作業での勤怠管理が限界に
迫られる働き方改革対応
2000年12月に開局したBSフジは、2010年代に入り、視聴可能世帯数の増加とともに業容が拡大、従業員数は徐々に増加した。執行役員総務局長の髙﨑邦雄氏が当時を振り返ってこう語る。
「当初はグループからの出向社員がほとんどであったため、いわゆる直接雇用のプロパー社員に関する給与計算や勤怠管理はExcelによる手作業でも十分でした。ところが、徐々にプロパー社員が増え、40名以上の規模になってくると、勤怠データの作成や集計作業が重荷になってきました。当時、給与計算はアウトソーシングで行っていました。具体的には、当社で作成したExcelの勤怠データをアウトソーシング先に渡し、返ってきた計算結果をチェックするという流れ。アウトソーシングする目的は業務の効率化なのに、結局は二重チェックを行っている状況で、アウトソーシングの意味が感じられなくなってきていました。さらに、Excelによるアナログな処理は効率的でないという議論もありました。そこで、アウトソーシングを止め、勤怠管理を中心とした一連の人事関連の作業をシステムで行い、効率化しようという議論が社内で出てきたんです」
また、ちょうど働き方改革が叫ばれ始めた時期であり、これまで1カ月まとめての自己申告制で行ってきた労働時間管理が課題になった。
「残業時間がリアルタイムに把握できず、残業時間の管理が後手に回っている状態。このままでは法改正に対応できない恐れがありました」(髙﨑氏)
導入の決め手
アラート機能やクラウド環境
法・制度改正対応を評価
こうしたなか、システム選定が始まった。総務局総務部チーフマネージャーの田中将行氏が語る。
「奉行シリーズはシェアも知名度も抜群で信頼感があります。他社製品も複数検討しましたが、打刻忘れや残業時間超過、承認待ちなどを知らせるアラート機能のほか、サポート体制やセキュリティなどを含む総合力は抜きんでていました。また、クラウドで動かせることも導入のポイントでした。当社の場合、営業は外回りが多く、場所や時間を問わずに使えることが必要だったからです。一連のシステムをシームレスに連携させることができることも評価したポイントです」
これまで、さまざまな企業で導入され、確実に結果を残してきた点とクラウドの利便性が高く評価されたわけだ。さらに、総務局次長兼総務部長の源生悟郎氏はこう語る。
「働き方改革などに伴い、環境が変化する状況において、奉行シリーズは法・制度改正に対し、的確に対応しています。OBCのサービス提供体制ならば、今後直面する変化も十分乗り切れそうだという期待感がありました」
従業員の働き方の変化
残業時間を自ら管理する動きが顕在化
マネージャーのマネジメントのあり方が変化
導入後、従業員が残業を抑制するようになったという。
「勤怠管理クラウドを見て、自分の労働時間を確認するケースが増えてきましたね。最近は、『今月は残業時間が多い。早く帰らないと』といった会話が社内から聞こえるようになってきました。さらに、部署のメンバー間で業務スケジュールを主体的に調整するようになりつつあります。今までは月末に締めてみないと実際の労働時間はわからない状態でしたが、勤怠管理クラウドによって可視化されたことで、従業員自身が残業時間を管理する動きが出てきました」
残業申請機能は従業員の労働時間への意識を変えつつある。残業の必要性について考えるようになってきているのだ。
「基本的に残業は申請し、上司の承認がないとできない仕組みにしました。こうすることで、残業が“特別なもの”という意識を持ってもらえるようになってきました。業種柄、致し方ない残業もありますが、今している残業が本当に必要なものなのか、考えるよいきっかけになっています」(田中氏)
さらに、勤怠管理クラウドのアラート機能はマネージャーのマネジメントの改善に役立っているという。
「本人はもちろん、各部の部長や総務部のメンバーにもアラートが届くので、残業時間を超過する前に声をかけることができます。この機能は、上長が部員のマネジメントを見直す契機になっています。具体的には、労働時間の状況を見て、残業時間が超過しそうな部員の業務スケジュールを変更するなど、これまでにない取り組みが出つつあります」(源生氏)
導入効果のダイジェスト
- あらゆる職種の労働時間を適正かつリアルタイムに把握できるようになり、残業削減に対する従業員の意識が変化。また、総務業務の時間削減を実現することで、企業全体における生産性向上の土台づくりに成功。
- クラウドで場所や時間を問わず勤怠管理ができるようになった
- 従業員ひとりひとりの労働時間や残業時間をリアルタイムに把握できるようになった
- 外出先でも打刻・申請できるようになり、外回り営業の申請作業にかかるコストが削減された
- 勤務実績照会機能により、残業時間などの勤務実績を従業員自ら確認できるようになった
- 残業申請機能により、従業員に残業が“特別なもの”であるという意識が芽生えた
- アラート機能により、業務スケジュールの見直しなどのマネジメントが実現できるようになった
- Excelによる勤怠データの集計作業が一掃され、総務の業務時間が削減された
- 労働基準法などの法・制度改正による変化に確実に対応できる体制が整った
今後の展望
さらなるシステム化で総務の業務改革を
企業全体で生産性向上を目指す
勤怠管理クラウドの導入で総務部の業務効率も改善されたという。
「手作業が一掃されて業務時間が減りました。今後は業務時間をさらに有効活用することで、従業員が高いアウトプットを出せるようフォローします。そして、システムをつなげることで、依然として存在する紙による非効率な作業や待ち時間を一掃し、総務部から業務改革を推進していきたいですね」(田中氏)
今後、勤怠管理クラウドを有効活用して、労働時間に対する意識改革をさらに推し進めるという。源生氏は「効率性を高める働き方について従業員が自然と考える機会が増えていくのではないか」と今後への期待を語る。
「勤怠管理クラウドによって、労働時間が認識されたことで、従業員自身が業務内容を再考するきっかけができました。今後は、与えられた時間のなかでどのようにすれば最大限の成果を出せるのか、従業員ひとりひとりが自発的に考えるようになることが目標です」(源生氏)
効率性の向上によって生み出した時間はよりクリエイティブな番組づくりへ。OBCのシステムはビーエスフジの競争力を支えていくだろう。
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企業情報
放送法に基づく基幹放送事業を手がけるフジテレビ系のBSテレビ局。ゴールデンタイムに生放送で放映されている提言型報道番組「プライムニュース」が話題に。12月1日には4K放送がスタート。フジ・メディア・ホールディングスの完全子会社。
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- 会社名
- 株式会社ビーエスフジ
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- 業種
- 放送・情報通信業
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- エリア
- 東京都港区
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- 従業員数
- 81名(2018年11月1日現在)