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BPRとは?
業務改善との違いやメリット、推進プロセスを解説

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近年、業務の進め方を抜本的に見直し、改革を行うBPRが注目を集めています。企業が業務にかけられる時間や労力には限度があるため、BPRによって業務の課題を根本的に解決し、効率化や経営判断の迅速化を図ります。ただし、BPRを推進する際は、ポイントを押さえ適切な方法で進めることが大切です。

本記事では、BPRの意味や取り組むメリット、推進プロセスなどについて解説します。業務の在り方を見直し、効率化を進めていく際の参考にしてください。

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目次

BPRとは業務プロセスを再構築して業務改革を行うこと

BPRとは、Business Process Re-engineeringの頭文字を取った略称で、日本語では「業務改革」と訳されます。

「Re-engineering」は、再設計や再構築を意味する言葉です。BPRでは、従来の業務プロセスや組織構造、使用しているシステムなどを根本から見直し、再構築を行います。
これまでの進め方や体制にとらわれることなく、抜本的な改革を行うことで、業務効率化や生産性向上、コスト削減、従業員満足度の向上などを目指す取り組みです。

BPRが注目される背景

BPRが注目される背景には、働き方改革の推進や労働人口の減少による、慢性的な人材不足が挙げられます。
昨今、多くの企業が人材不足を問題として抱えています。働き方改革やワークライフバランスの重視が求められる中で、従来の業務プロセスを維持したまま企業成長を目指すことは、困難といえるでしょう。限られた人材で業務を効率的に遂行していくためには、戦略的な業務改革が求められます。

さらに、人口減少と少子高齢化が進行し、2040年に社会的・経済的問題が著しく表面化するとされる「2040年問題」では、労働人口の急減も予測されています。これまでの業務プロセスを維持したままでは、いずれ対応しきれなくなり、業務縮小といった事態を招くおそれも否定できません。
このような背景から、大企業・中小企業に加え、地方自治体でもBPRの推進が注目されているのです。

BPRと業務改善・DXの違い

BPRと似た文脈で使われる言葉に「業務改善」や「DX」などがありますが、これらの言葉は似て非なるものです。ここでは、BPRと業務改善・DXの違いをご紹介します。

業務改善との違い

BPRと業務改善は、業務プロセスを見直す際の目的と対象範囲に違いがあります。
BPRとは、業務プロセスや組織構造を根本から見直し、全体を改革することです。一方、業務改善は、従来のやり方を踏まえた上で、部分的な改善によって効率化などを図ります。
また、企業全体を対象として根本的な見直し進めるBPRに対し、業務改善は部署などで区切り、特定の業務を見直すといった点も、双方の大きな違いです。

DXとの違い

BPRは業務プロセス全体の再構築を図るため、手段は限定されません。一方のDXは、最新のデジタル技術を活用して、業務フローの改善や新たなビジネスモデルを生み出します。
双方は取り組み方の手段に大きな違いがありますが、BPRを推進する中で、デジタル技術の活用は重要なポイントとなります。そのため、BPRがDXの推進にもつながっていくでしょう。

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BPRのメリット

BPRの推進にはどのようなメリットがあるのでしょうか。BPRによって企業が得られる主なメリットについて見ていきましょう。

業務効率化と生産性の向上

BPRの推進で業務全体のプロセスを見直すことで、業務効率化と生産性の向上を実現できます。
BPRを行う際は、全業務のフローやプロセスを可視化しなければなりません。業務の棚卸によって、現在の業務における課題や無駄が見えてきます。それらをなくすために業務プロセスを再構築することで、業務効率化や生産性の向上を目指せます。

また、業務フローの棚卸を行う過程で、経営判断の妨げになっていた要因が見えてくるかもしれません。BPRの推進は、経営判断の迅速化にも役立つでしょう。

コスト削減と利益の最大化

BPRのメリットのひとつは、コスト削減と利益の最大化です。
例えば、BPRによって業務効率が上がれば、残業時間などの人件費の削減が可能です。また、BPRの取り組みの中で、システムを一新してクラウド化することで、サーバなどの保守や管理に要していた費用の削減ができます。

クラウド化するためのシステムの導入など、一定の初期費用は必要ですが、無駄なコストを削減することで、長期的には利益を最大化できるでしょう。

従業員の意識改革や満足度の向上

BPRでは、従業員が対応している業務や課題を洗い出した上で、施策を検討する必要があります。現場の従業員に意見を求めたり、施策について議論したりすることがあるかもしれません。こうしたプロセスを経ることで主体性が生まれ、従業員の意識改革が期待できます。

また、業務の効率化によって、従業員一人ひとりの負担軽減が可能です。非効率な作業がなくなり、個々の能力を最大限発揮できる環境が整えば、従業員のモチベーションが向上する上、その企業で働く満足度も高められます。

BPRのデメリット

生産性の向上やコスト削減といった多くのメリットを持つBPRですが、デメリットとなりうる面もあります。メリットに加え、デメリットについても確認しましょう。

費用と工数がかかる

BPRは、企業全体の業務にかかわる重大な施策です。具体的にどのような改革を行うかによって手法は変わりますが、一定の費用と工数がかかるといった点はデメリットといえます。

例えば、BPRを進める際の業務プロセスの洗い出しにおいて、どのような業務にどのくらいの工数がかかっているのかといったことを明確にするだけでも、多くの時間が必要です。さらに、システムを導入する場合は初期費用も発生します。

BPRによって業務の最適化が実現できれば、長期的にはコストを回収できる可能性が高いですが、一定期間は費用と工数が必要であることを知っておく必要があります。

業務改革の過程で従業員に負担がかかる

業務全体を改革するBPRでは、従業員にかかる負担も少なくありません。従来とは異なる業務フローやシステムを導入することになれば、従業員に大きな影響を及ぼします。

BPRを成功させるためには、BPRを行う目的を従業員に周知し、従業員が前向きに取り組めるよう、フォローすることが大切です。トップダウンで進めるのではなく、従業員の意見を吸い上げるなど、コミュニケーションをとりながらBPRを推進しましょう。

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BPRを推進するための主な手法

BPRは、新たなサービスやシステムを導入したり、業務フローや規則を見直したりして進めていきます。
まずは業務の棚卸を行い、業務フローを可視化した上で、自社にとって必要な手法を検討することが大切です。
ここでは、BPRの取り組みに役立つサービスやシステムをご紹介します。

ERP

ERPとは、企業が持つ「ヒト・モノ・カネ・情報」という経営資源を一元管理し、有効活用するためのシステムのことです。ERPの導入は、業務の効率化やデータの有効活用をはじめ、経営判断の迅速化などのメリットがあります。
部署ごとに管理していたデータを一元管理するERPの導入は、業務プロセスを根本から改革するBPRの推進に役立ちます。

■ERPのイメージ

BPO

BPOは、Business Process Outsourcingの略称で、業務プロセスを一括して外部事業者に委託するアウトソーシングの手法のひとつです。一般的なアウトソーシングのように業務の一部を委託するのではなく、業務プロセスを一括して委託することで、社内のリソースの有効活用や適切化が行えるため、業務効率の向上が実現します。
BPOの導入は、下記のような業務が対象として挙げられます。

<BPO導入の対象業務の例>

  • システムセキュリティの管理
  • マーケティング業務
  • 問い合わせやサービス支援のコールセンター業務
  • 教育研修の企画と実施
  • 財務・経理業務
  • 総務・人事業務

シェアードサービス

シェアードサービスは、複数のグループ企業を持つ場合に実施できる施策です。経理・財務・人事・総務・情報システム・物流などの間接部門の業務を、グループ企業ごとではなく1ヵ所に集約して行います。
シェアードサービスの導入で間接業務の適正化が実現すれば、リソースの有効活用やコスト削減につながります。

SCM

SCMは、Supply Chain Managementの略称です。企業が資材を調達して製造し、消費者の手元に商品を届けるまでの一連の流れにおける情報共有や、管理を効率化するための手法を指します。

資材の調達、製造、配送、保管、受注、検品、出荷といった物流業務では、多くの部門や企業が連携をとって業務を進めなければなりません。一連の業務を管理し、部門間や企業間で適切な情報共有をすることで、業務効率化やリードタイムの適正化につながります。

BPRの推進プロセス

BPRを行う際は、ステップ踏んで着実に進めていく必要があります。BPRの推進プロセスは、下記のとおりです。

■BPRの推進プロセス

1. 業務フローの棚卸を行う

まずは、業務フローを洗い出し、棚卸を行います。業務フローの棚卸では、いつ、誰が、どのような業務を、どのくらい時間をかけて行っているのかを明らかにすることが大切です。併せて、業務にかかる人件費や設備費などを算出し、コストに見合わない業務が発生していないかどうかを確認します。

このプロセスを経ることで、BPRの施策を検討する際、どの程度のコスト削減が見込めるのかを予測できます。そのため、「誰の業務なのか」「どの程度負荷がかかっているのか」といったことも数字で判断していかなければいけません。定量的な評価ができるように、BPR実施前のデータを明確にさせておくことがポイントです。

2. BPRを推進する目的を明確にする

業務フローが明らかになったら、BPRを推進する目的を定めます。
何のためにBPRを行うのかがはっきりしていなければ、目指す方向が曖昧になってしまいます。現状の業務フローや従業員の抱える課題をもとに、BPRの目的を明確にすることが大切です。

3. 戦略や施策を決める

BPRの目的を明確にしたら、具体的な戦略や施策を決めていきます。
課題の解決策は、1つとは限りません。例えば、定型化しやすい業務であれば、アウトソーシングが有効かもしれませんが、該当の業務を効率化できるシステムの導入で解決できる可能性もあります。
さまざまな選択肢の中から、自社にとって効果が高く、コストに見合うと思われる施策を検討しましょう。

4. 施策の実施とモニタリングを行う

戦略を決め、施策を実施したら、進行状況をモニタリングすることも大切です。
なお、BPRは企業のトップや経営陣が主体となって実施しますが、従業員の声に耳を傾けることもポイントです。実施状況の確認や問題点の把握のためにも、部署ごとに担当者を置いて細かくヒアリングすることをおすすめします。

5. 効果測定と評価を行う

施策を実施した後は、BPRの効果を測定し、目標値との差異を比較します。効果測定と達成度の評価を行い、効果が十分得られていないのであれば、施策を見直さなければいけません。
実際に施策を実行してみると、計画段階では見えなかった問題が見えてくることもあります。なぜ期待どおりの効果が得られなかったのかを検討して、施策を再検討しましょう。

一方、十分な効果が得られた場合も、効果が上がった要因を把握し、より高い効果を目指したり、ほかの業務の効率化を目指す際の参考にしたりするのがおすすめです。

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BPRを成功させるためのポイント

BPRは、企業全体で取り組む大きなプロジェクトです。労力やコストを無駄にしないためにも、BPRを成功させるためのポイントを確認しておきましょう。

BPRの目的やビジョンを従業員に共有する

BPRの目的やビジョンは、経営陣やプロジェクトメンバーだけでなく、すべての従業員に共有しなければなりません。BPRを推進する上では、従業員にもさまざまな負担がかかります。何のためにBPRを行い、どのような状態を目指すのかを伝えておくことで、組織全体で一致団結して取り組みやすくなります。

また、BPRは長期的なプロジェクトになるため、目的やビジョンが共有されていなければ、途中で手段と目的が入れ替わってしまいかねません。業務フローの改革そのものが目的になってしまわないように、「何のために行うのか」を定期的に振り返る必要があります。

従業員の自発的な取り組みを促す

BPRを進める際は、従業員の声を参考にしながら施策を検討することが大切です。従業員の自発的な取り組みを促すためにも、従業員が意見を述べたり提案できたりする場を設けましょう。
BPRを成功させるためには、従業員にBPR推進の当事者であることを意識してもらわなければなりません。こまめなヒアリングを行うなど、主体となるメンバーの取り組みも重要です。

従業員に当事者意識を持ってもらえず、自発的な行動が見られない場合は、BPRを推進する意図などが伝わっていない可能性も考えられます。
また、ヒアリングの方法に問題があるかもしれません。ハードルとなっている要因を把握し、必要に応じて研修やヒアリング方法の見直しなどを行ってください。

BPRの取り組みを定着させる

BPRの取り組みは、継続して実施していく必要があります。施策を実行したとしても、それがスムーズに成功するとは限りません。うまくいかなかったり、別の課題が出てきたりすることもあるでしょう。
一度施策を実施して終わりではなく、継続的に効果測定と改善、実施を繰り返していくことが大切です。

BPRで業務を根本的に改革し、企業の成長を目指そう

BPRでは、業務効率化や生産性の向上、それによる人材不足の解消といったさまざまなメリットを得られます。まずは、現状の課題を把握するための業務の棚卸から始めてみてはいかがでしょうか。
BPRを効率良く進めるには、ERPの導入が効果的です。ERPで経営資源を一元管理することで、業務プロセスの無駄をなくし、各部門がスムーズに連携しながら業務を進められます。

OBCの「奉行V ERPクラウド 」は、コンポーネント型のクラウドERPです。会計管理、販売管理、人事労務といったコア業務領域をERPで構築し、関連するシステムと連携をとることで必要な機能を補完します。各部門で発生したデータは、形式を問わず奉行V ERPクラウドに自動で取り込めます。そのため、手作業によるデータ入力や取り込み作業の必要がなくなり、各部門とバックオフィス部門のやりとりのシームレス化が実現可能です。

■奉行V ERPクラウドのサービスイメージ

また、AIが入力をサポートして取り込み後の業務を自動化する上、専門的な分析サービスなどにもデータを活用できるようになり、より的確に経営判断に活かすことができるでしょう。
世界トップレベルのセキュリティ体制も特長で、導入時や導入後のサポートも充実しているため、安心してご利用いただけます。お気軽にご相談ください。

よくある質問

BPRとは何ですか?
BPRは、Business Process Re-engineeringの略称で、日本語では「業務改革」と訳されます。業務プロセスを抜本的に見直し、再構築することで業務効率化や生産性の向上などを目指します。
BPRを行うためには何をすればいい?
BPRを行うためには、まず自社の状況と抱える業務課題を明確にする必要があります。業務を棚卸して、何にどのくらい時間がかかっていて、どのような課題があるのかをはっきりさせましょう。
その上でBPRを進める目的を定め、戦略や施策を策定します。施策の実施中や実施後には、モニタリングと効果測定を行ってください。効果が出ていない場合は原因を突き止め、改善しながら業務改革を目指します。
BPRにつながるシステムや手法は?
企業の持つ経営資源を一元管理できるERPの導入や、一部業務の外部委託、グループ企業間で共通する業務の集約、サプライチェーンの適切な管理と情報共有といった手法が考えられます。自社の業務課題や職種などに合わせて、適切な方法を検討しましょう。

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