最近、「ジタハラ(時短ハラスメント)」という言葉が新しく聞かれるようになりました。残業削減を重要視するあまり、頭ごなしに「早く帰れ」「残業はやめろ」と業務の切り上げを強要することを言うそうです。「働き方改革」を背景に、あらゆる企業が残業削減に取り組んでいる一方、実態は、根本的に残業削減を成し遂げられている企業は少ないことがうかがえます。
その理由の一つに、「確実に残業削減できる取り組みを見つけられていない」ことが挙げられます。インターネットなどで残業削減の取り組みを検索すると、大企業の取り組みやITベンチャー企業の取り組みが中心で、なかなか自社と同じ業種業態・規模に合う取り組みを見つけることは難しいものです。また、話題になっている取り組みは、お金や時間がかかりそうな取り組みだったり、コンサルティングの知識を活用した専門的な取り組みだったりと、採用しづらいものがほとんどです。
では、残業削減の成功は諦めるしかないのでしょうか?いいえ。実は、業種業態・規模問わず取り組めて、勤怠管理システムひとつで残業削減の効果を出せる「間違いない」成功パターンが存在するのです。
目次
残業削減には「間違いない」成功パターンがある?!
残業削減の「間違いない」成功パターンはどのようにして導き出されたのか?それは、弊社OBCの「奉行Edge 勤怠管理クラウド」を導入した企業に対する調査から導き出されました。約1,500社もの導入企業に対し、勤怠管理システムの使い方を独自に調査したところ、多くの企業が残業削減に活用していることが分かったのです。また、残業削減に取り組んでいる企業の業種業態や規模はバラバラでしたが、どの企業にも「共通の症状」が出ていることがわかりました。調査対象の企業は、勤怠管理システムを活用した仕組みづくりにより、それらの「症状」を改善することに成功していたのです。ここからは、残業が発生する企業に見られる「共通の症状」とあわせて、勤怠管理システムを活用した残業削減の「成功パターン」をご紹介します。
他人事ではない!?残業が発生する企業に出る「共通の症状」とは?
まずは、残業が発生する企業に起こっている「共通の症状」を見ていきましょう。中でも、よく見られる3つの症状を紹介していきます。
症状1:従業員が自身の残業時間を把握できていない
1つ目の症状は、従業員自身が今どれだけ残業しているかわかっていないという症状です。症状が進んでしまうと、「残業をしている」という実感すらなくなり、「いくら残業してもいい」と思う従業員も出てきます。この症状は、紙のタイムカードや勤怠届出書の内容をExcelで手集計しており、勤怠の締め日を過ぎないと各従業員の勤怠情報がわからない会社に起こりやすい症状です。
症状2:定時後なかなか帰宅せず、ダラダラと残業することが慢性化している
2つ目の症状は、定時を過ぎた後に、フリースペースや喫煙スペースなどで何分も滞在していたり、制服をゆっくり着替えてから帰ったりするような従業員が多くみられるという症状です。また、定時以降しっかりと業務に打ち込むものの、日中の勤務時間では業務に集中しておらず、残業前提の働き方をしているというのも類似の症状といえます。
症状3:働きすぎの従業員に気づくことができない
最後の症状は、月の残業が45時間以上など、過度な残業をしている従業員に気づくことができないという症状です。遅刻や早退など、勤怠の異常が発生して初めて気づかれやすい症状で、ひどい場合は、休みがちになったり体調不良を訴えたりする従業員が出てくることもあります。この症状は、上司が外出続きで部下と顔を合わせる機会が少なく、最適な仕事の分配ができていない職場で起こりやすい症状です。
聞いて納得!勤怠管理システムを活用した残業削減の「成功パターン」とは?
それでは、勤怠管理システムだけで、一体どのようにしてこれらの症状を克服することができるのでしょうか?調査の結果明らかになった「成功パターン」について、勤怠管理システムの使い方と得られる効果を合わせて紹介していきます。
成功パターン1:毎日の残業チェックで残業削減の意識づけができるように
<使い方>
毎朝パソコンで打刻するときに、システムにログインすると自身の勤務実績画面が自動的に表示されるようにする
<効果>
残業の現状と実態を日々把握する仕組みができることで、自然と残業削減の意識が醸成されるようになる
システムを導入することで、毎日の打刻や勤怠のWeb申請からリアルタイムに勤務時間が集計されるようになります。調査対象の企業では、毎朝などの定期的なタイミングで、前日までの残業時間を必ずチェックし、常に残業の現状と実態を把握できるようにしたことで、残業削減の意識が芽生えるようになったといいます。一日の食事内容を記録するだけのレコーディングダイエットがいい例ですが、現状や実態を把握することで、人は自然と改善の意識を持てるようになります。さらに、自分が感じている以上に残業が多い場合には、スケジュールの立て方や時間の使い方に問題がないかを考え、自ずとスケジュールを見直したり、業務にムダがないかを確認できるようになったケースもあるといいます。
成功パターン2:「残業許可制」を実現してダラダラ残業の未然防止に成功
<使い方>
残業を行う場合は、残業のWeb申請を利用して事前に残業の理由を明示させ、残業の可否と予定時間について上司の承認を必要とする
<効果>
残業の理由と予定時間を明確にし、必要性を客観的に判断する仕組みができたことで、ダラダラ残業が発生しにくい環境になる
システムを導入することで、Web上で残業申請ができるようになり、残業の事前許可を徹底できるようになります。実際に企業で採用されたルールを紹介します。
- 1.残業が必要な場合はその日の16:00までに上司に理由と残業の時間を申請する
- 2.やむを得ず16:00までに申請書を提出できなかった場合は、上司に相談のうえ、残業が必要かどうかを判断する
ルールにより理由の申請を徹底したことで、意味もなく業務を続けることができなくなります。また、具体的な時間の申請を義務化することで、決められた時間の中で業務を終えようとする意識が芽生え、残業に対する緊張感が生まれるといいます。さらに、残業の必要性を上司が判断するようになったことで、客観的に必要と思われる残業しか認められなくなり、定時後にダラダラと残り続ける従業員がいなくなるのです。
成功パターン3:一定ラインの残業アラートで適切な仕事分配が可能に
<使い方>
一定の残業時間を超えた従業員とその上司に対してメールでアラート配信する
<効果>
上司が部下の働きすぎに気づく仕組みができ、仕事の分配タイミングが見極められるようになる
システムの導入により、一定の残業時間に対するアラートが可能になります。たとえば、残業時間20時間、30時間超過の2段階などで、本人と上長にメールで通知をします。基準値を超えて働いている従業員の存在にいち早く気づけるようになったことで、仕事の偏りがないかを見直すきっかけになり、上司が仕事を適切に分配できるようになるといいます。また、働きすぎの従業員に対して、メールを通じて早めの退社を促進できることから、上司の指導の手間を最小限に抑え、仕事分配やサポートなどのマネジメントに一層集中することができたという効果もありました。
さいごに
調査の結果、勤怠管理システムひとつで、残業削減に効果的な仕組みを構築できるようになり、根本的な残業削減が可能になることがわかりました。残業削減を成功させるためには、大企業の取り組みを真似する必要はありませんし、お金や時間をかけて専門的な取り組みをする必要もないのです。あらゆる企業で実証された残業削減のモデルを、貴社でもぜひ試してみてはいかがでしょうか?
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