急な事務用品の購入費や社員の営業交通費など、日々の経費精算を小口現金で管理している企業は意外に多いようです。しかし一方で、手間がかかる業務ばかりで、小口現金管理に対して業務負担を感じている担当者は少なくありません。
そこで今回は、小口現金管理に代わる経費精算方法として、今注目のキャッシュレス決済について、経費精算業務におけるメリットを紹介します。
目次
小口現金管理は経理業務にとって負担になりやすい
経費精算を小口現金で行っている企業は、実際、どれくらいあるのでしょうか?
経理業務に携わる全国のビジネスパーソンを対象に行われた「会社のキャッシュレス化と小口現金(仮払金)の利用状況に関する実態調査」によると、6割以上の企業で小口現金を利用していることがわかりました。自腹立替精算の頻度も「頻繁にある」と応えた担当者は42.7%あり、「ときどきある」と合わせると7割を超えています。
また、小口現金管理を現在行っている、または過去に行っていたという担当者に現金での精算処理業務の負担感を聞いたところ、7割以上が「小口現金は業務負担」だと感じていることもわかりました。
「会社のキャッシュレス化と小口現金(仮払金)の利用状況に関する実態調査」
TOMOWEL Payment Service株式会社
2019年11月発表
小口現金で経費精算を行う場合、細々とした作業が多く発生します。
まず、入出金のたびに現金出納帳に記入する作業が発生します。そのため、現金出納帳と現金の残高が合っているか日々の業務で確認しなければならならず、誤差が生じると原因の追及に追われることになります。また、小銭が不足しないよう一定の金額を小銭で管理するため、金融機関に出向き両替することもあるでしょう。いずれも外せない作業とは分かっていても、手間や時間がかかるため「面倒」「億劫」と感じやすいのです。
他にも、現金を人の手で管理しているため、紛失や不正のリスクも担当者にとっては“負担”になります。中には100万円単位でストックしている企業もあり、管理する額が大きくなるほど不正利用を招く危険も踏まえて管理しなければなりません。
このように小口現金管理は、一見便利なように見えて、経理担当者にとっては気の休まらない業務の1つにもなっているのです。
小口現金に代わる方法は、法人プリペイドカードによるキャッシュレス決済がおすすめ!
多くの企業では、小口現金に代わる経費精算方法として、毎月の給与と一緒に支給する「後払い」方式や、仮払金を支給する「前払い」方式などが採用されていることでしょう。
しかし、これらの方法は、いずれも経費精算業務の効率化としては一長一短です。
例えば「後払い」方式では、毎月の給与と一緒に一括で精算するため、手渡しで都度精算する必要がなくなり、経費精算を効率化することができます。しかし、毎回変動する精算額に応じて給与の支払いを管理する必要があり、給与システムに反映するには別途精算額を管理しているExcelデータを取り込むか、手作業で入力するなどをしなければなりません。
また、従業員にとっては「立替」の期間が長くなるため、費用面での負担が大きくなる可能性があります。
「前払い」方式の場合は、給与と一緒に支給する後払いに比べ、従業員の費用面での負担は無くなりますが、いちいち事前に従業員から仮払い申請をしてもらう必要があり、経理担当者も申請内容や費用確認を都度しなければなりません。
そもそも小口現金で精算するような案件は、1回あたりの額面が少額のケースも多く、前払い自体が不向きな面もあります。
そこで、おすすめしたいのは「キャッシュレス決済」です。
中でも、法人プリペイドカードを利用するキャッシュレス決済は、クレジットカードのような厳しい与信審査がないため、非常にスムーズに導入できます。カード会社によっては「入会審査」を行うケースもありますが、別途提出書類などを求められることはほとんどありません。
また、法人プリペイドカードには、経費精算業務のうえで以下のようなメリットもあります。
[特長1]素早く手軽に入金できる
法人プリペイドカードの場合、専用口座に一定額入金されていれば、管理画面で従業員カードへチャージすることができます。そのため、「前払い」方式のように従業員が仮払金の申請をする必要もなく、わざわざチャージのたびに銀行など金融機関に出向く必要はありません。
[特長2]会計システムに仕訳入力を自動化できる
多くの法人プリペイドカードには、法人クレジットカードと同様に自動連携できる会計システムが設定されています。自社の会計システムに連携していれば、仕訳入力まで自動化することができ、経費精算業務の効率化に役立ちます。
[特長3]利用状況を管理画面で確認できる
従業員が利用した経費は、カードの利用状況も管理画面で確認することができます。カード単位でチャージ金額を管理することができるので、経費の使い込み防止にもなります。
また、電子帳簿保存法改正により、2020年4月から「領収書の破棄カード利用明細と領収書が紐づけられて」おり「経理担当者がそれを確認」できれば、キャッシュレス決済による領収書レスが認められました。つまり、利用状況を管理画面で確認することで、領収書の管理業務がなくなります。
[特長4]不正利用の抑止になる
法人クレジットカードを利用する場合、利用限度がないため「不正利用」に対する心配も拭えません。管理職以上など使用者を限定したり、発行枚数を制限したりすることもしばしばあります。
しかし法人プリペイドカードなら、利用上限額が設定されているので、そうした不安はありません。発行枚数も登録されたユーザー数で管理できるため、基本的に1人1枚、全従業員に配付することができます。
例えば、勘定奉行クラウドの場合、世界中のMastercard加盟店(※)で利用できる「Bizプリカ」を使用し、管理者がチャージした金額内で決済できる方法を採用しています。
※定額課金、ガソリンスタンド、高速道路等、一部利用できない店舗があります。
カードの利用情報はクラウド上で一元管理でき、勘定奉行クラウドに取り込んで仕訳を自動起票することもできます。
基本の流れは、専用口座に入金し、管理画面から管理者が従業員のカードに必要な金額を1円単位でチャージします。不足の場合には、チャージ依頼機能で依頼することができ、従業員が経費の仮払い申請をする必要はありません。経理担当者は管理画面から手続きするだけで済み、チャージ額も入金後即座に反映されるので従業員が立て替える必要もなくなります。税務上領収書が必要な取引には、仕訳に領収書データを添付できるので、確認業務もペーパーレスで行えます。
このように、法人プリペイドカードでのキャッシュレス決済は、様々な面で経費精算業務の改善に役立つのです。
経費精算業務の負担がより少ない方法で、スマート経理を!
キャッシュレス決済は、金庫の小口現金管理だけでなく、他にも、備品購入等のために拠点に口座を持たせているようなケースにも代替えすることができます。また、精算処理の効率化に加え、仕訳の自動起票もできるようになるなど、経理業務の生産性を向上させることにつながります。
ただし、キャッシュレス決済にもいろいろ方法はあるので、導入する際は「どのキャッシュレス決済を選ぶか」は非常に重要です。導入検討の際は、「入金・残金の管理が簡単」「仕訳入力が自動化できる」など、できるだけ業務負担の少ない仕組みかどうかをチェックしましょう。
小口現金精算をキャッシュレス化する時代は既に始まっています。経費精算業務のムダを省く仕組みを導入して、経理業務の合理化を進めましょう。
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