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ポストモダンERPとは?日本企業のERPが抱える問題とシステム刷新のポイント

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「ポストモダンERP」という⾔葉をご存じでしょうか。今、「古いシステム運用が企業のDX推進を阻む」とする、いわゆる「2025年の崖」問題によって、多くの企業が「古くなったシステムの刷新」を求められています。その最適解と言われているのが「ポストモダンERP」です。
日本企業で長く活用されてきたERPも、新たな変革の時代に突入したと言えるでしょう。
今回は、日本企業が活用している現ERPの問題を整理し、「ポストモダンERP」への刷新のポイントについて解説します。

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目次

ポストモダンERPとは

「ポストモダンERP」とは、ガートナー社による“次世代型のERPのあり方”を表した⾔葉です。激変するビジネスに常にマッチした業務ができる環境を整えるには、従来のERPがカバーしている広範囲な業務をいったん分解し、クラウドサービスを含む複数の業務アプリケーションを連携させるスタイルを採用することが必要として、そうした新しいERP像を「ポストモダンERP」と呼んでいます。

現代は、ITの進化によってビジネスを取り巻く環境が激変しています。しかし従来のERPでは、AIをはじめとする最新テクノロジーを充分に活用することが難しく、ビジネスのデジタル化・・・いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)の波に乗りきれないという課題が生じ始めました。これが、いわゆる「2025年の崖」問題として、経済産業省の「DXレポート〜ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開〜」で言及されている「早急な基幹システム刷新の必要性」です。

※「2025年の崖」問題については、コラム「DXの⾜枷「2025年の崖」への最適 解とは?気づいた企業は始めています!」もご覧ください。

DXはもはや、あらゆる分野で進んでおり、第4次産業革命も起こると予想されているほどです。そうした時代の変化に対応するには、企業の根幹となるERPを刷新することが必要不可欠です。ポストモダンERPは、まさに時代に合わせて進化できるERPの姿と言えるでしょう。

日本企業のERPのタイプと問題点

現在日本企業が活用しているERPの多くは、大きく2つのタイプに分類でき、それぞれにDX推進を阻む問題を抱えています。

1つは、単一でモノリシック(一枚岩的)と称される完全統合型のERPです。ERPの典型的なスタイルでもあり、これまで大企業を中心に導入が進められてきました。
このタイプは、1つのパッケージであらゆる業務に対応できる一方、自社サーバで運用する大がかりなシステムが多く、バージョンアップなどメンテナンス管理が非常に大変です。業務単位の最適化も難しく、改修するにはパッケージごと切り替える必要があります。
OSバージョンなどの問題から新しいサービスと繋がらないことも多く、最新テクノロジーを活用できるようにするには相当のコストと時間を要します。

統合基幹業務のダウンサイジングニーズ

もう1つは、ある程度の業務単位で導入し、事業の成長に合わせて機能追加・拡張を行っているコンポーネント型です。自社の業務に合わせて自由にカスタマイズできるのが大きな特長で、中小企業を中心に広く利用されています。最近では、一部にクラウドサービスを取り入れたハイブリッドタイプのものもあります。
しかし、基幹となる部分を古いシステムで運用していると、最新機能を有するクラウドサービスには連携できないことがあります。たとえ現在クラウドサービスと連携できていたとしても、今後も全てのクラウドサービスを利用できるという確証はありません。
また、アプリケーションを次々に追加・拡充していくと、「同じ機能が複数存在する」ということも起こりやすくなります。使用に際して現場や管理側で混乱することも予想されるため、「どのアプリケーションの機能を使用するか」といったルールを敷くなどの対応が必要になります。一方で、自社業務では使わない機能や足りない機能も発生しやすくなります。必要なのに不足していると、また新しいサービスを追加することになり、そのたびに重複する機能が増える・・・という悪循環も引き起こします。結果として、繰り返されるカスタマイズがシステムの構造をどんどん複雑化していき、メンテナンスなどの運用負担が膨れ上がってしまうことにもなるのです。

システム群のスリム化

このように、どちらのタイプのERPであっても、DXに取り組む環境を整え業務の生産性を向上させるには問題があります。
ポストモダンERPは、これらERPが抱える問題を解消し最新技術を取り入れて運用できるため、ビジネス競争力を高められると期待されています。

奉行V ERPクラウド

ポストモダンERPを実現させるためのポイント

ポストモダンERPは、これまでのERPの業務領域をコアとなる業務に絞って再構築し、不足する機能をクラウドサービスなど複数のアプリケーションから『適材適所』で補完するものです。
ERPそのものをスリム化することで、バージョンアップやメンテナンスなどの運用負担、カスタマイズによるブラックボックス化を抑え、シンプルなシステム構造にします。また、クラウドサービスへもつながりやすくなるため、俊敏性や柔軟性も向上し、フロント業務⽤に変化に強い新しいサービスを導入しやすい環境が実現します。

ポストモダンERP

では、どのようにERPをスリム化ですればよいのでしょうか?
一般的に、経営の基軸となる企業情報は「会計」「人事労務」「販売・調達」「在庫・原価管理」「仕入・債務」業務に集中します。つまり、これらの業務を中心に、特に自社にとって重要な業務アプリケーションでパッケージ化されたERPを選ぶことが、スリム化の第1歩となります。

その際、コアERPをクラウド化すれば、基幹システム自体も最新のデジタル技術を活用できる環境に置くことができます。
例えば、クラウドERPの1つである、奉行V ERPをコアERPにすれば、会計業務・人事労務業務・販売管理業務の中でもメインとなる業務を標準化し、経費精算や勤怠管理などフロント業務に必要な機能は奉行クラウドEdgeや他のクラウドサービスと連携できるので、カスタマイズしなくても周辺業務の高度化や最適化を図ることができます。

奉行VERPの概要

パブリッククラウドを利用するIaaS/PaaSモデルだけでなく、OBCが提供するクラウドを利用するSaaSモデルもあり、自社に適したクラウド環境で運用することができます。自社サーバを必要としない分、運用負担を軽減でき、膨大な開発コストをかけずに導入から短期間で稼働させることが可能です。
また、奉行V ERPに切り替える際も、既存のERPで複雑化したデータを再整理しスリム化することができます。実際、既存システムのサポート終了を機に奉行VERPに切り替えた企業の中には、クラウド化したくてもできなかった状況を一掃し、いつの間にか膨れ上がっていた給与計算ロジックを再整理したことで、給与体系をスリム化できた例もあります。
(詳しくはホワイトペーパー「脱!ブラックボックス化!わずか6ヶ月でクラウドERPに移行した企業の取り組みとは」をご覧ください)

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おわりに

市場では今、多くのベンダーからクラウドERPなど次世代型のERPモデルが次々に登場しています。コアERPをクラウド運用にすれば、サーバ管理や容量、セキュリティ体制などハード面の運用負担が軽減され、初期投資にかかるコストも時間も大幅に削減することができます。また、フロント業務で使用するクラウドサービスとの連携もしやすくなり、AI、IoTといった最新テクノロジーをいつでも戦略的に取り入れることも可能です。
DXを加速させるには、バックオフィス業務における俊敏性・柔軟性は欠かせません。時代の変化に合わせて基幹システムも常に成⻑していけるERPであることが、これからの企業経営には求められているのです。

OBCでは、現在お使いのERPに対する問題点を抽出し、ポストモダンERPを実現させるためのご提案を行っています。まずは自社の現状把握から、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

ポストモダンERP・奉行VERPご相談窓口

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