シフト管理は、仕事量と従業員の希望する勤務時間・休日などを合理的に調整する業務です。 飲食店やコンビニなどのサービス業、工場、医療機関、介護施設など、さまざまな業種で必要とされているものですが、非生産的な業務でありながら非常に時間や手間のかかるのが大きな課題となっています。 従業員を上手く配置し運用するためにもシフト表は欠かせないため、毎月のやりくりに頭を抱えている担当者も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、シフト管理でよく耳にする悩み・問題から、課題解決の方法を探ってみましょう。
目次
- 「シフト管理は時間がかかる」一番の問題は“手作業”にあり!
- シフト管理の業務効率を上げるには“システム化”が必須!
勤怠管理システムのシフト管理機能にも注目してみよう! - シフト管理対応システムを選ぶ際に押さえておきたいポイント
- おわりに
「シフト管理は時間がかかる」一番の問題は“手作業”にあり!
シフト管理の目的は、売上・利益を上げるために最適な人員配置を行うことで、業務効率の向上や生産性の向上を図ることにあります。そのためには、繁忙期・混雑する時間帯を確認したり、従業員の希望にあわせたり、適正な人件費で運用できるようにしたりと、様々な要素を考慮してシフト表を作成しなければなりません。
特に、労働条件に見合った勤務日数や勤務形態になっているかをチェックすることは重要で、雇用側の都合や一方的な見解で減らすと、労働基準法に抵触する可能性があります。
また、例えば医療の現場では「医療法」によって必要人員が定められており、必ずその基準をクリアしなければなりません。このような業種で一人ひとりの休日数や夜勤数、連勤数など、労働基準法を押さえつつシフトを組むのは、相当な時間と労力を要することになります。
ただでさえ細心の注意が必要なうえに、これらの作業を基本“手作業”で行っていると、担当者の負担はますます肥大していきます。実は、この“手作業”がシフト管理を煩雑にさせている最大の要因でもあるのです。
紙でシフト表を作成している場合は当然ながら、Excelでのシフト管理でも、手作業の負荷は大きくなります。例えば、Excelで関数を活用すれば、どの曜日に何人足りないかを自動で計算できるので重宝されます。インターネット上には無料のフォーマットも数多く提供されているので、利用している方も多いでしょう。
しかし、Excel管理では従業員からの希望シフトを入力するという作業が必ず発生します。自社の事情に合わせようとすると、関数の設定を変更する必要も生じます。関数が間違っていたり曜日の設定を誤ったりすると、正しい集計もできません。こうやって担当者にしか分からない設定が組まれると、引き継ぎの際に後任の担当者が使えないという問題も起こりやすくなります。
また、シフト表が完成した後も、「必要人員は満たしているか」「労働条件を満たしているか」「休日や夜勤・連勤などの日数は労働基準法に準拠しているか」「勤務間インターバル」といった細かな調整・確認は、Excelの場合、目視でチェックする必要が生じます。
シフト作成がアナログ作業になると、従業員とのやり取りもアナログに頼らざるを得なくなり、タイムリーに行うことが難しくなります。希望シフトの依頼や回収を電話やメールなどで行うと、「提出期限までに希望を回収できない」「シフト調整に時間がかかる」などといった問題も起こりやすく、さらにシフトの確定が遅れてしまいます。
一説には、手作業でシフト管理を行っている担当者は「シフト管理業務に毎月約10日間を費やしている」と言われています。業務効率をあげるためのシフト管理自体が非効率では本末転倒です。できる限り“時間と手間をかけない”方法で管理することが望ましいでしょう。
シフト管理の業務効率を上げるには“システム化”が必須!
勤怠管理システムのシフト管理機能にも注目してみよう!
Excelでシフト作成を続けている限り、シフト管理業務を効率化することは難しくなります。
シフト管理で発生する手作業を減らすには、システムで管理する方法に切り替えることがもっとも有効でしょう。
市場には、シフト管理に対応するシステムが多数提供されています。このようなシステムを活用すれば、希望シフトの募集やシフト表の作成まで、全てシステム上で行うことができます。Excelのようにフォーマットの作成や関数入力も必要なく、もっとも時間のかかる勤務時間の計算や人件費の計算など面倒な集計作業が自動化されるので、大幅に業務時間を削減することが可能です。過不足の把握も迅速に行え、複数拠点をもつ企業なら他拠点へのヘルプ調整など適正な人員配置も簡単に行えるようになります。
また、勤怠管理システムを連携することで、勤怠管理用に設定した労働条件を活用してシフトが組めるので、「労働条件をクリアしているか」「法的に問題はないか」といったチェックも簡単になります。
従業員とのやり取りについても、クラウドサービスにすれば希望シフトの依頼や回収、ヘルプ調整などにスマートフォンを利用できるので、シフトにまつわる従業員とのコミュニケーション不足も解消できます。
さらにシフト管理を正確に、効率よく、簡便に運用するなら、シフト管理機能が標準装備された勤怠管理システムもオススメです。
勤怠管理システムでシフト管理もできれば、労働条件を設定するために連携させる必要がありません。奉行Edge勤怠管理クラウドのシフト管理のように登録されていない臨時要員も「仮の従業員」としてシフト入力できるものなら、臨時要員分も含めた概算人件費を正確に把握することも可能になります。希望シフトの依頼・回収から出退勤の管理まで、しっかりとした予実管理が行える体制も構築できます。
シフト管理対応システムを選ぶ際に押さえておきたいポイント
シフト管理にシステムを導入しても、担当者が使いこなせなければ意味がありません。とはいえ、わかりやすさや導入費用だけで選ぶと、必要な機能が備わっていない場合もあります。
どのようなタイプを選ぶにせよ、シフト管理をシステム化する際には、次の5つのポイントに注目しながら自社の運用に適しているかを確認するとよいでしょう。
point1Excelと同じように操作できるか
これまでシフト表をExcelで作成していると、Excelに慣れ親しんでいる分、全く操作方法の変わるシステムでは「使いづらい」と感じるかもしれません。できるだけExcelと同じように操作ができるものを選ぶと、そうした不安は解消できます。
例えば、奉行Edge勤怠管理クラウドのシフト管理は、クラウドサービスでありながらExcelと同じ操作性とシンプル設計になっているので、Excelに慣れた担当者も違和感なく作業を進めることができます。
右クリック入力やコピー&ペースト、オートフィル機能など、Excelと同じようにキーボード操作・マウス操作ができ、文字色やセル色の変更も可能です。
作成に必要な機能は、メニューバーに表示されているので、誰でも同じシフト表を簡単に作成することができます。
point2希望シフトの回収や従業員との調整が簡単にできるか
希望シフトの提出依頼にメールやSNSなどを利用していても、システムと連携できていなければ、結局はシステムに希望シフトを入力しなければなりません。直前でバタバタと提出したり期限後に提出したりする従業員がいると、シフトの確定も遅れてしまいます。
シフト管理に対応するシステムには、スマートフォンやチャットなどで希望シフトを回収し、自動的にシフト表に反映するタイプがあります。このように回収した情報をそのまま活かせると入力作業がなくなりますので、しっかりチェックしておくとよいでしょう。
奉行Edge勤怠管理クラウドの場合、従業員とのやり取りに関しては、スマートフォン用アプリ※で希望シフトの依頼・回収から調整、公開までアプリ上で行えるようになっています。
回収した希望シフト情報は、シフト表に自動で反映されるので、シフト表の作成・確定がスピードアップできます。シフト調整時もアプリのチャット機能でやり取りができるため、電話で個別に連絡する必要もなく、コミュニケーションロスによる不公平感、不満も解消します。
※スマートフォン用アプリは2022年2月リリース予定
point3時間単位1日単位など求める単位で人数把握ができるか
シフト表は、時間単位や1日単位など、業種によって必要な単位が変わります。例えば、製造業の工場や医療・介護系などでは、日勤・夜勤という1日単位のシフト表が必要ですが、アルバイトやパート勤務者の多いサービス業などでは、早番・遅番などといった時間単位での管理が必要になります。
一般的なシフト管理システムでは、時間単位に対応するものが多いので、自社が求める単位で管理できるかはしっかり確認しておくことが肝要です。
奉行Edge勤怠管理クラウドのシフト管理のように、1日単位/時間単位のどちらにも対応できるものを選べば、業種を問わず利用できます。奉行Edge勤怠管理クラウドでは、シフト画面で詳細表示をクリックすれば、従業員ごとの勤務時間も確認できるほか、時間帯での人員数表示もできるので、勤務調整や応援依頼などの判断材料としても活用しやすくなっています。
point4複数拠点で使うことができるか
店舗や事業所を複数展開している企業では、勤務地ごとにシフト管理をすることになります。拠点ごとにシフト管理の方法が違うと、1拠点内ではよくても、他拠点にヘルプ要請がしづらかったり、人事異動や新拠点オープン時などの際に混乱を招いたりする可能性があります。
どの拠点も同じシステム内でシフト管理ができれば、人員に過不足がある拠点がすぐに分かり、現場でも担当者レベルで他拠点へ応援要請をかけやすくなります。
例えば奉行Edge勤怠管理クラウドは、クラウドサービスなので多拠点で同時に使用することが可能です。シフト管理画面で「部門」「勤務地」を単位として任意にグループを作ることもできるので、画面上の運用設定を切り替えるだけで、他拠点のシフト表を画面上ですぐ把握できます。
単位の設定は、奉行Edge勤怠管理クラウドの社員情報画面にある情報をもとにします。例えば、小売りサービスの企業であれば、「部門」を店舗、「勤務地」をエリアに設定すれば、エリアマネージャーはエリア、店舗ごとに状況を把握できるようになります。
point5必要人員の設定・チェックが簡単にできるか
医療・介護現場など必要人員が決められている業種などでは、作成したシフト表が必要人員を満たしているかチェックも大事になります。しかし、手作業のチェックは時間もかかり、見落としがないよう二重チェック体制も整備する必要が生じます。こうした現場では、システムで人数の設定やチェックが簡単にできると、業務効率は格段にアップします。
例えば奉行Edge勤怠管理クラウドのシフト管理では、「シフト(勤務体系)設定」画面で基本の必要人員を設定することができ、基準を満たしていない日があれば、アラート表示されて修正箇所を一目で判別できるようになっています。特定の日だけ人員数を変更したい場合も、シフト表画面で簡単に変更することができます。
おわりに
大手企業ではシフト管理にシステムを活用するのが当たり前になっていますが、中小企業においては、まだExcel管理に頼っている企業も多いことでしょう。しかし、企業規模にかかわらず、シフト管理を行っている以上「いかに効率よく業務を行うか」という課題は当然つきまといます。
「DX」「デジタル化」が推進される今、いつまでもシフト管理を手作業で続けていては、業務効率の向上・生産性の向上という目標も遠のきます。毎月、シフト管理に時間がかかっているなら、まずは「Excelからの脱却」を考えてみてはいかがでしょうか。
ただ、新たにシステムを導入するとなると、コスト面を心配される担当者も多いかもしれません。
勤怠管理システムのシフト管理機能なら、オプション料金※になっているものも多いので、自社の勤怠管理システムにシフト管理機能があるかを確認するところから始めるとよいでしょう。
※奉行Edge勤怠管理クラウドでは、標準プランに加え、シフト管理担当者の人数(ライセンス数)によって2種類の料金プランをご用意しています。詳しくは、奉行Edge勤怠管理クラウドページを参照ください。
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