これから会計システムを選ぶ際に、どのような基準で選べばいいのかよくわからない、とお悩みではありませんか?経理・財務部門には日々の記帳業務だけではなく、幅広い経理業務を限られた人と時間で確実にこなしていくことが求められています。これを達成するためには、会計システムをうまく活用することを考えたいものです。
また、会計システムは税制改正をはじめとする制度変更に大きく影響を受けるため、これから検討を進めるにあたっては、「今後の消費税改正の動向をふまえて考えないと……」や、逆に「先行き不透明な改正時期をいつまでも検討を待っているわけにはいかない」と、判断に迷っている企業も多いのではないでしょうか?この記事では、これからの経理・財務部門に必要な会計システムを選ぶための3つのポイントをご紹介します。
目次
ポイント1
「経理」と「経営」の両視点でスピードと正確性を向上できる
昨今の激しい環境変化に企業が対応していくために、経営者には正確な情報をいち早く把握して意思決定をし続けることが求められるようになりました。これにより、経営者は財務・経理部門に「経営に必要な会計情報を即提供すること」を求めるようになり、財務・経理部門には、この要求に対応するために「早く正確に経理業務を行う」必要性が高まっています。つまり、財務・経理部門には、「経理」と「経営」の2つの視点から、スピードと正確性が求められるようになったといえるでしょう。
「経理」の視点:入力業務を徹底的に省力化できる
早く、正確に経理業務を行うために、会計システムに大きく関係する業務処理は、何といっても仕訳起票作業でしょう。速やかに入力ができれば、それだけ業務をスピード化できるというわけです。そうはいっても、人が入力作業を行っている限り「スピード化」にはどうしても限度があり、大幅に生産性を向上することは難しいといえます。では、どうすればいいのでしょうか?その答えは、仕訳を入力するまでに行っている経理業務をシステム化することで、仕訳入力作業そのものをなくしてしまうことです。
例えば、支払予定の管理や、固定資産台帳の作成、減価償却費の計算などの経理業務をシステム化することで大きく生産性を向上することができます。多くの企業がこれらの業務をExcelを使って行っているため、別途仕訳伝票を手入力するなどの多重入力や多重管理が発生。これらの経理業務をシステム化しデータを会計システムに連携することで、それぞれの業務効率を向上できるだけではなく、仕訳伝票を自動起票することもできるようになります。これにより仕訳の入力作業がなくなるためスピードを向上することができ、入力ミスがなくなるため正確性も向上できるのです。
会計システムを入れ替える際には、上でお話ししたように、仕訳入力に至るまでの「支払管理」や「固定資産管理」などの業務を効率化でき、データ連携により仕訳入力をなくすことができるものを選ぶことが大切だといえるでしょう。
「経営」の視点:会計レポートの活用を迅速化できる
経営に必要な会計情報を経営者に即座に提供するためには、さまざまな視点からの会計レポートを迅速に作成しなくてはなりません。例えば、財務会計における帳票にはない、予算対比や複数年比較・達成率・構成比などの指標や、従業員数・店舗面積・顧客数などの非会計情報を用いた自社独自の視点に合った資料をスピーディに作成することが求められます。しかし、会計システムからデータを出力し、そのデータをもとにExcelで加工していては、どうしても作成業務に時間がかかることに。また、レポート作成後に仕訳修正がなされてしまうと、もう一度会計システムからデータ出力をやり直し、加工作業も再び行うことになってしまいます。
一方、さまざまな指標に対応し、自社独自の視点を組み込んだ会計レポートに対応できる会計システムであれば、このような都度の作成業務の必要がなく、いつでもリアルタイムな会計情報をもとにしたレポート出力が可能です。会計システムを選択する際には、自社で使っている会計レポートに対応できるかどうか、そして、経営者の求める指標などに柔軟に対応できるかどうかについてもチェックしておきましょう。
ポイント2
制度やIT環境が変わってもずっと使い続けられる
2015年10月、2017年4月の2度にわたり延期された消費税10%への引上げは、2019年10月の施行が予定されていますが、未だ先行きが不透明な状況です。また、同時に導入される予定となっている軽減税率は、複数の税率が混在する新しい制度であるだけではなく、「適格請求書等保存方式(インボイス方式)」のように企業の経理方式に大きな影響を与える制度を含めた段階的な対応を必要とするものになっています。
動向が流動的であるため、今すぐ確実な対応を要するわけではなくなったといえますが、消費増税が確実になった時点で改めてプログラム対応の必要が生じるような会計システムに対しては、これから投資することに戸惑いを感じてしまう方も多いのではないでしょうか。このような対応の必要性は消費税だけにあてはまるわけではありません。税制をはじめとする制度改正への対応は継続して求められ、その中には、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件緩和など、活用メリットの大きな制度も存在します。このような改正対応に都度追加コストが必要となってしまうシステムも、効果的とはいえません。
さらに、制度改正だけではなく、IT環境の変化への対応も重要です。WindowsをはじめとしたOSへの対応はもちろん、現在、加速度的に普及が進んでいるクラウドにも安心して対応できるシステムでなければ、いざ自社の環境をクラウドへ移行しようとした時に、多大な追加コストが必要になってしまいます。多くの会計システムは、目の前の環境変化には保守サービスなどで対応していることが多いものの、IT環境を含めたあらゆる環境変化に対応できるかといえば、そうではないものが少なくないようです。あらゆる環境変化に継続して対応できるシステムなのかということも、会計システムの重要な選定ポイントのひとつだといえるでしょう。
ポイント3
会社の成長や経営環境の変化に柔軟に対応できる
会計システムに柔軟な対応が求められるタイミングは、制度改正やITなどの外部環境が変化した時だけではありません。企業の成長に伴う規模や業態の変化、あるいは経営環境の変化、つまり、自社の内部環境が変化した際にも、会計システムには柔軟な対応が必要です。システム導入の時点であなたの会社にマッチするかどうかはもちろん重要ですが、将来的な変化にもスケーラブルに対応し続けられるかどうかもまた重要だといえるでしょう。
例えば、企業規模が大きくなると会計データも大容量化していくため、その情報を自由に分析・活用できることの重要性がさらに増すことになります。また、複数の子会社や関連会社などを持つグループ企業であれば、同じ会計システムを共用するシェアドサービスの運用が効果的かもしれません。IPO検討企業にとっては内部統制の整備・運用に役立つ機能が、そしてIFRSの任意適用を目指す企業にとっては複数基準への対応機能などが重要視されるでしょう。
このように、企業がおかれた環境によって会計システムに求められる要件は異なるため、幅広い要件に柔軟に対応できる会計システムを選択することをおすすめします。
これからの財務・経理部門にとって有用なのは、制度改正やIT環境などの外部環境の変化、企業成長などの内部環境の変化に継続的に対応し、記帳業務に留まらないさまざまな経理業務の生産性を向上すると同時に、経営者の求める数値を迅速に提供できる会計システムだといえます。今すぐにすべての経理業務をシステム化し、クラウドに移行していく必要は、もちろんありません。大切なのは、自社にとって必要な時に最適な形でシステム活用範囲を拡張でき、そして、ずっと使い続けることができる会計システムを選ぶことです。
今、自社にとってどのような業務の生産性を向上していくことが有効なのか?そして、そのために最適な会計システムとはどのようなものなのか?さらに、将来を見据えると、あるべき会計システムの姿はどのように変化していくのか?ご紹介した3つのポイントを参考に、ぜひご検討ください。環境変化に対応し、「経理×経営」の両視点からスピードと正確性を向上できる会計システムについては、「OBC会計提案モデル」でご紹介しています。
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