メルマガ読者20万人以上!
OBC 360のメルマガ登録はこちらから!
メルマガ登録

予実管理とは?表の作成方法や管理時のポイント、よくある失敗例は?

このエントリーをはてなブックマークに追加
pic_post426_main

予実管理は、企業の目標達成に欠かせない重要な管理会計業務の一つです。

限られたリソースの中で競争環境に適応 する必要がある企業では 、柔軟かつ精度の高い対応が常に求められます。特に、売上目標や営業利益などの数値目標を達成しつつ、経費削減を効率的に進めるには、計画の立案をはじめ、進捗に応じた軌道修正や業務プロセスの改善が欠かせません。

本記事では、予実管理の基本的なやり方や具体的な表の作成方法、効率的な進め方のコツ、さらによくある失敗例とその対策について解説します。予実管理を効果的に活用できるヒントになれば幸いです。

新規CTA

目次

予実管理の基礎知識

予実管理は、企業が目標を達成するために重要な経営管理手法です。ここでは、予実管理の基本的な仕組みと、その効果について具体的に解説します。

●予実管理とは?

予実管理とは、予算(目標値)と実績を比較し、その差異の原因を分析して適切な対策を講じる管理手法です。事業計画において、予算は達成すべき数値目標として設定されます。この予算と現状の実績を定期的に比較・チェックすることで、目標に対する進捗や問題点を明確にするのです。

予実管理は、単なる比較分析にとどまらず、差異の原因を特定し、解消するための具体的なアクションを計画・実行することが特徴です。繰り返し行うことで業務プロセスが改善され、経営目標に向けた軌道修正ができます。

●予実管理の目的

予実管理の目的は、企業が利益目標を達成し、安定した経営基盤を築くことにあります。具体的には、以下のような効果が期待されます。

1.目標達成のサポート

予算と実績を比較することで、どの業務プロセスが順調で、どこに改善が必要かを可視化できます。これにより、従業員が社内の問題点を正しく理解し、目標達成に向けた具体的な行動を起こすための指針となります。

2.業務プロセスの分析と改善

予算と実績に差異が生じている場合、その原因を分析することで、問題点を明確化し、効率的な解決策を講じられます。たとえば、営業活動のトレンドを適切に把握し、速やかに反映させることで、業績の向上を期待できるでしょう。

3.経営の安定化

予実管理を行うことで、当月の進捗状況や達成度合いを評価し、結果に応じた柔軟な対応が可能になります。特に中小企業では、迅速な経営分析を行い、的確な意思決定を求められる場面が多く、予実管理は予算どおりに売上を上げていくために重要な役割を果たすでしょう。また、赤字を未然に防ぎ、安定的な利益確保につながるなど、企業の持続的な成長を支える基盤にもなります。

新規CTA

予実管理を行う主な流れ

予実管理の効果を高めるには、具体的なステップに沿って計画的に実施することが大切です。ここでは、予算目標の設定から差異の分析、対策の実行まで、予実管理の基本的な流れを詳しく解説します。

●Step1.予算目標を設定する

まずは企業全体の予算目標を設定します。目標は、現実的かつ達成可能な数値であることが重要です。過去のデータや市場動向を参考にすることで、無理のない予算設定ができるでしょう。また、予算は部門別やプロジェクトごとに分割し、社内全体で共有できるようにしておくことをおすすめします。

●Step2.実績を管理する

予算と実績の差異を把握するために、月次や週次の決算を行いましょう。法律で義務付けられているのは年次決算のみですが、定期的に任意の決算を実施することで、実績データをタイムリーに取得できます。

●Step3.予算と実績を比較する

決算データを基に、予算と実績を比較し、差異が生じている箇所と具体的な数値を確認します。

●Step4.差異の原因分析

差異の原因を内的要因(業務プロセスや計画の精度)と外的要因(市場環境や競合の動向)に分けて分析します。たとえば、「近隣に競合店が新規オープンしたため売上が減少した」といったケースは外的要因です。また、設定した予算が現実的であったかについても振り返ると、次回以降の計画の精度を高めることができます。

●Step5.対策を講じる

原因を特定できたら、具体的な対策を立案し、迅速に実行します。

たとえば、売上減少に対してはプロモーション活動の強化や販売チャネルの見直しが有効です。この際、経営層と現場が連携し、実現可能かつ効果的なアクションプランを立てるようにしましょう。さらに、対策実施後に効果について評価し、必要に応じて修正や追加の対策を講じることで、目標達成に近づくことができます。

この一連のステップを繰り返すことで、予実管理の精度が向上し、予算どおりの運営が実現できるようになります。

予実管理表の作成方法

予実管理表を作成するにあたっては、エクセルやスプレッドシートなどの表計算ソフトを活用する方法と、会計システムを導入する方法があります。以下で、それぞれの方法について詳しく解説します。

●エクセルやスプレッドシートを使用して作成する

エクセルやスプレッドシートは、予実管理表を手軽に作成できる便利なツールです。特に、自社でこれらを既に導入済みの場合、新たなコストをかけずに利用できる点が魅力です。また、スプレッドシートを活用すればインターネット経由で関係者とリアルタイムでデータを共有でき、部門間の連携をよりスムーズに進められます。

<エクセルやスプレッドシートで予実管理表を作成する主な手順>

1.項目を入力する

予実管理表を作成する際は、管理項目(売上高や売上原価、売上総利益、予実差異など)を選定し、整理された見やすい形式でフォーマット化します。さらに、部門やプロジェクトごとに細分化して管理すると、進捗状況や達成度合いを詳細に把握しやすくなります。

2.データを入力する

フォーマットに予算額を入力し、実績データを定期的に更新します。データは当月分を月次や週次で分類し、チェックしやすい形式に整えるのがポイントです。

3.関数や計算式を入力する

エクセルやスプレッドシートには関数や計算式を入れることができるため、適切に活用して作業を効率化させるとよいでしょう。たとえば、以下のような関数が便利です。

  • SUM関数:合計値を自動算出できる
  • IF関数:条件に応じたデータ表示ができる

関数を使うことで、予算と実績の差異を自動的に算出できるようになり、手作業と比べて担当者の負担が軽減されます。また、計算を自動化することにより、ヒューマンエラーのリスクを軽減できることもポイントです。

4.共有設定を行う

スプレッドシートを利用する場合は、共有権限を設定しましょう。部門間の情報共有がスムーズになり、経営分析や目標達成に向けた連携を強化することができます。また、CRM(顧客管理)など他のツールと連携することで、データの自動更新や一元管理が可能となり、管理作業の効率化が進みます。

●会計システムを利用して作成する

会計システムを利用すれば、予実管理を効率的かつ正確に行えます。特に、組織の規模や業務内容に合った会計システムを選ぶことで、効果をより一層高めることができるでしょう。

会計システムを導入する主なメリットとして、作業工程の自動化が挙げられます。データ入力や計算といったプロセスが自動で処理されるため、時間や手間を大幅に削減できます。また、ヒューマンエラーを防止できる点も大きなメリットです。入力ミスや計算ミスのない正確なデータによって経営判断をサポートしてくれるでしょう。

会計システムには、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。

  • クラウド型:インターネット経由でリアルタイムにデータを共有・更新でき、どこからでもアクセス可能。初期費用が安く、システム管理の手間も不要なため、特に中小企業に適している。
  • オンプレミス型:自社サーバーで運用するため、導入コストや運用管理の負担が大きい。

クラウド型は導入のしやすさや利便性に優れており、特にリアルタイムでのデータ共有が求められる企業におすすめです。

新規CTA

予実管理をスムーズに行うポイント

●できるだけ短いスパンで行う

予実管理は、最低でも毎月、可能であれば毎週行い、できる限りリアルタイムで状況を把握することが望ましいとされています。その理由は、短いスパンで実施することによって、予算と実績の乖離を早期に発見できるためです。乖離とは、本来一致しているべき予算と実績の間にズレが生じている状態を指します。ズレが生じていることを早めに把握できれば、予算と実績の差異が大きく開く前に適切な対策を講じることができるため、目標達成に向けた軌道修正がスムーズに進むでしょう。

●PDCAサイクルを活用する

予実管理を効率的に進めるためには、PDCAサイクルの活用が効果的です。PDCAサイクルとは、計画(Plan)→実行(Do)→確認(Check)→改善(Action)という4つのプロセスを繰り返し実行する手法です。

PDCAサイクルを活用することで、経営目標の達成に向けての継続的な改善が可能になります。たとえば、設定した予算に対して得られた実績を確認し、改善すべきポイントを速やかに洗い出すことで、次のサイクルに活かすことができるでしょう。

PDCAサイクルを短期間で回すことで、経営環境の変化にも柔軟に対応できるほか、安定的に利益目標を達成するための基盤を築くことにもつながります。

予実管理でよくある失敗例

予実管理は、適切に行えば目標達成のための重要な情報となりますが、やり方を間違えると効果を十分に発揮できない可能性があります。ここでは、予実管理でよくある失敗例とその対策について解説します。

●細部にこだわりすぎてしまう

予実管理では、細かい差異を気にしすぎると、うまくいかないことがあります。小さな数値の違いにこだわりすぎるあまり、本来進めるべき予実管理全体の作業が滞ってしまうことが度々起こるのです。

重要なのは、全体への影響が大きい差異に注目し、優先順位を明確にして対応を進めることです。たとえば、売上や主要なコストなどの重要項目を優先的に改善することで、効率的に予算に近づけることができるでしょう。

●従業員への負荷が大きい

予算達成を最優先に考えすぎると、従業員に無理が生じ、疲弊してしまう恐れがあります。無理な目標設定や過度なプレッシャーは、社内での不正行為を誘発するリスクを高めてしまいかねません。従業員が無理なく取り組める現実的な目標設定と、取り組みやすい環境を整えることが、長期的な業績の向上につながります。

●現場に情報が周知されていない

管理者だけが予実管理のデータを把握しており、現場の従業員には目標や進捗状況が共有されていない場合には、連携が不十分になり、目標達成が難しくなります。

対策としては、定期的なミーティングやフィードバックを通じて、全従業員が目標や進捗状況、改善策を共有できる環境を整えることが挙げられます。これにより、目標達成に向けて組織全体が一丸となり、予実管理をより効果的に活用できるでしょう。

これらの失敗を避けるには、重要なポイントを見極め、現実的な目標を設定し、情報共有を徹底することです。全員が同じ方向を向いて取り組める環境を整えることで、予実管理は組織全体の成長を支える効果的な取り組みとなるでしょう。

予実管理に関するよくある質問

ここでは、予実管理に関するよくある質問について、基本的な用語の違いから、実務の役割分担まで、分かりやすく回答します。

予実管理の別名は?

「予実管理」は、「予算実績管理」とも呼ばれます。「予実」とは、「予算」と「実績」を組み合わせた言葉で、予算と実績を比較して差異を管理する手法を指します。

予実管理と予算管理の違いは?

予実管理と予算管理は似た用語ですが、目的と内容に違いがあります。

予実管理:計画(予算)と実績を比較し、差異を分析して改善策を講じる「計画の実行後」に重点を置いた手法

予算管理:予算目標や達成計画など、「事前の計画段階」に重点を置き管理する手法

つまり、予算管理は「計画の立案」であり、予実管理は「計画と結果の比較・改善」であるという点で異なります。

予実管理と進捗管理の違いは?

進捗管理は、業務やプロジェクトの進行状況や目標達成度を確認する手法です。一方の予実管理は、進捗状況に加えて、予算と実績の差異を分析し、経営判断や改善策の実行に役立てる包括的な管理手法です。

つまり、進捗管理が「進行状況の把握」に重点を置くのに対し、予実管理は「経営判断を支える差異分析と改善策の実行」を含む点が異なります。

予実管理と原価管理の違いは?

原価管理は、製造やサービス提供にかかるコストを詳細に分析・管理する手法です。一方の予実管理は、予算と実績の差異を基に、経営全体の進捗や課題を把握するための手法です。

予実管理:売上や経費を含む企業全体の財務状況を広範に管理

原価管理:コスト削減による原価率の低下が目的で、製造や業務プロセスに特化した管理

原価管理は予実管理の一環として行われることもあり、特にコスト面での課題解決に役立ちます。

予実管理は誰が行う?

予実管理は、主に経営企画部門や財務・経理部門が中心となって行いますが、部門ごとの予算管理や改善策の実行には現場担当者の協力が必要不可欠です。具体的には、以下のような役割分担が一般的です。

  • 経営企画部門:全体の予算目標を設定し、進捗を確認
  • 財務・経理部門:データを集計・分析し、予算と実績を比較
  • 現場担当者:部門別の予算目標達成に向けた具体的な行動を実施

予実管理は、企業全体で連携して取り組むべき重要な手法です。各部門が役割を果たすことで、予算と実績の差異を迅速に把握し、講じるべき改善策を選定することができます。さらには、経営者が的確な意思決定を行えるようになるのです。

予実管理の効率化と課題解決のポイント

予実管理は、企業の目標達成に欠かせない重要な取り組みですが、エクセルなどの表計算ソフトを使用した管理にはヒューマンエラーなどの多くの課題が伴います。ここでは、予実管理の効率化を図る方法として、会計システムを活用する具体的なメリットについて解説します。

本記事では、予実管理の基礎知識をはじめ、管理表の具体的な作成方法や取り組みをスムーズに進めるためのポイント、さらにはよくある失敗例について詳しく解説しました。なかでも、効率化を図る方法として注目されているのが、会計システムの活用です。

従来のエクセルやスプレッドシートを使用した予実管理は、手軽で導入コストが低いというメリットがあります。その一方で、手作業によるヒューマンエラーや共有作業の手間といった課題があり、これが予実管理の精度や効率を低下させ、企業の成長を阻む要因となるおそれがあります。

これらの課題を解決し、予実管理を効率的かつ正確に行うためには、会計システムの導入がおすすめです。「勘定奉行クラウド」は、予実管理表を自動作成できる機能を備えています。項目を選択するだけでオリジナルの帳票を簡単に作成できるため、データ加工や出力の手間を削減し、業務効率を大幅に改善できます。さらに、クラウド型ならではのリアルタイムでデータを共有できる特性は、経営判断のスピード向上にも役立つでしょう。

中堅企業や成長企業には、SaaS型ERP「奉行V ERPクラウド」がおすすめです。このシステムは、さまざまなツールやシステムと連携しやすく、データを自動で集約して活用できる柔軟性が魅力です。データを一元管理することで、経営戦略に直結する情報を迅速に提供します。

会計システムを活用することで、予実管理における手作業の負担が軽減されるだけでなく、転記ミスも防止できます。さらに、迅速で正確なデータ分析が可能となるため、経営判断の精度向上にもつながります。予実管理の効率化は、企業の成長を後押しし、安定した経営基盤を築くカギとなるでしょう。
貴社に最適な会計システムの導入をぜひご検討ください。

関連リンク

メルマガ読者20万人以上!
OBC 360のメルマガ登録はこちらから!
メルマガ登録
新規CTA